2006/07/07

情操教育に草むしりは 畑は色んな事を教えてくれる

 ♪わたしはまっかなリンゴです。お国は寒い北の国。リンゴ畑の晴れた日に箱に詰められ、汽車ポッポ。町の市場へつきました…♪。〔『リンゴのひとりごと』武内俊子作詞、河村光陽作曲、昭和15年〕

 三番摘みのカボチャのヘタにハサミを入れながら、昔うたった童謡を憶い出した。冒頭の歌詞はインターネットで調べた正しい内容だが、私の場合はヒガ覚えで「果物店のおじさん」(○)でなく、今まで「リンゴ畑のおじさん」(×)に顔を磨かれていた。

 うっとうしい梅雨が続いている。『こぼれ話』(六月十一日付)でも紹介したように「カボチャテレビではいま、本物の南瓜を作っている」。週末には四度目の収穫を予定。その数は合わせて三千個を超えそうだ。

 一方で「ジャンボカボチャ」の栽培にも取り組んでいるが、こちらは何とも難しい。やっと実がなり、バスケットボール大に生長したかと思ったら、一晩で空気が抜けたかのように腐ってしまう。

 初めての経験なので皆目原因が解らない。宮本秀利さん(宮本造園社長)に愚痴をこぼしたら、「そげん簡単にいくもんね。みんな悔しか思いばしながら、段々上手になっていくとやけん」と一笑にふされた。

 ジャンボは林田正剛さん(林田観光バス社長)の土地を借りて作っている。ウドン粉病も怖いが、何と言っても難敵は「雑草」である。スギナ、ツユクサ、ヨモギ…。いずれも手強い。

 今年の初めだったか都会のアスファルトの隙間から生え出してきた植物に「根性ナントカ」という尊称を冠してワイドショーが騒いでいたが、雑草に根性などあるはずもない。あれは植物そのものが持つ習性&本性である。

 ヨモギは薬草の一種であるが、石垣脇の根の張りようは尋常ではない。取っても、取っても…尽きることがない。その力強さからして "薬効" のほども推して知るべし、だ。

 旧瑞穂町役場からもらったジャンボの苗は30本。当初の意気込みに反して、現在の実の数は5個。果たして梅雨を越して、真夏の正念場を迎えられるか。

 ところで、草むしりをしていて時々思う。「これって、ひょっとして子供の情操教育に向いていないか」。土の感触もさることながら、取られても、取られても怯まずに次々と芽を出してくる強じんな生命力。まさに生きた教本だ。

 ダンゴムシ、ゲジゲジ…。どうしたわけかカニまで出てきた。湿った草わらの中に眠っていた体長10センチほどのムカデは黒い胴体に真っ赤な脚。さしずめ昆虫界のポルシェか。

 畑(自然の世界)は色んなことを教えてくれる。