仰天!!カラスの隣人愛 物事は「俯瞰的」に見よう
長崎いすゞ自販の元常務、三宅一光さんは「オイは国家公務員」と言って憚らない色黒の大先輩である。それなのにゴルフ前には必ず日焼け止めクリームを塗る。不思議だ。
えっ国家公務員!??何のことかと思って聞いてみたら、ギャングのような顔をほころばして「もう年金生活者じゃんば」と。
三宅さんは現在、某社の顧問を務めるかたわら、ゴルフ集団「花みずき会」の会長としても活躍している。先般、佐世保でコンペがあったが、生憎の落雷騒ぎで中止になった。カラスの話はその時に伺った。
場所は、この春再スタートを切った雲仙ゴルフ場4番のミドルホール。ナイスショット!!三宅さんのドライバーから放たれた低い弾道のボールがグリーン上のカラスを直撃した。
良く観光バスのガイドさんが「雲仙のカラスはイタズラ好きでゴルフボールをくわえて逃げるんですよ」などと説明してくれるが、的代わりに「当たってしまった」のである。
それから後が、カラスの話だが、尾も白かった!?(「面白かった」の意味・いわゆるオヤジギャグの一種、スイマセン)。
直撃を受けたカラスはその場でバッタリと倒れヒクヒク。すると、仲間と思しき四?五羽のカラスが見事に役割分担をしながら嘴(くちばし)にくわえて運んで行った、という。
搬送先が動物病院か県立島原病院かは知らないが、何と麗しき隣人(烏)愛!!困っている人を見ても、知らんぷりして通り過ぎる昨今の風潮を顧みて、「ひょっとして人間以上じゃないか!!」と感動した次第。
この話を島原振興局の人に話したら、「カラスは一夫一婦性で、仲間意識が極めて強いんですよ」と教えてくれた。
と、その話を傍らで聞いていた同局管理部長の池内潔治さんがポツリ。「そう言えば、対馬支庁時代、釣りに行った先で、せっかくの釣果をトンビにさらわれたことがあった」と。
「あん時はもう苦労したばい。まーだ針も付いとって、トンビがギャーギャー騒ぐもんやから、虐待しているようで恥ずかしゅうーして」…。遠くを見やるような目つきが印象的だった
烏、なぜ啼くの、烏は山に、可愛い七つの子があるからよ〔『七つの子』野口雨情作詞、本居長世作曲、大正11年〕
「人間は万物の霊長」と言われるが、驕り高ぶっていては先が危ない。カラスの美談が我々に教えてくれるものは何か。
「俯瞰的」とは、「鳥瞰的」とも言い換えられる。我々も「鳥の眼」をもってチマチマと目先の利益にばかり捉われないようにしなければ。さあ皆さん、カラスに倣って今日は早くお家に帰りましょう。
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