数字で計れないもの - 世の中 "数値" がすべてか -
「海の日」の20日、三会ふれあい運動広場で、新市誕生を祝う「第1回カボチャテレビ杯争奪少年ソフトボール大会」を開催。島原、南島原両市から計11チームが参加して賑った。
前日の天気予報では「100%雨」の予想だったが、時おり「通り雨」には見舞われたものの、無事に終了することができた。改めて、板山照國・島原南高ソフトボール協会理事長をはじめ関係者の皆様にお礼を申し上げる次第である。
さて、試合の方は予選トーナメントで勝ち進んだ旧有明町の「三之沢少年ソフトボールクラブ」と、島原市の「安中リトルファイブソフトボール部」との間で決勝戦が行われ、前者が2対0で初代チャンピオンの座に就いた。
実は、この大会にはある種 "思い入れ" があった。噴火災害前に、それまで何十年にわたって「島原甲子園」と称して長崎県知事旗争奪の大会を島原新聞社主催で開いていたからである。個人的には「復活!!島原甲子園」というタイトルを付けたかったくらいだ。
まあ、それはそれとして、試合はいずれも面白かった。子どもは無邪気だ。鬼監督の話を必死に聞き取ろうとする表情は真剣そのもの。
三之沢が他より優れていたのは技術的なものばかりではなかったような気がする。特に守備の合間の "掛け声" が印象に残った。
勝負は非常だ。どんなに力が拮抗していても最後には必ず "結果" が出る。"実力" では上回っているかもしれないチームが負けてしまうことも間々ある。人生と同じだ。
炎天下の中、パイプ椅子に腰掛けながら、自らのソフトボール体験を反すうした。「あん時エラーして怒られたなぁー」…。会社の若手社員に聞いてみると、「島原甲子園」で、皆それぞれに "思い出" を持っていた。
現代は、以前にもまして「数字」の世の中だ。日銀のゼロ金利政策の見直し、視聴率、偏差値、役所や企業の予算・決算、ゴルフの飛距離&スコア、果ては結婚相手の背の高さ、年収まで「数字こそすべて!!」といった塩梅だ。
だが、果たして本当にそうか。確かに数字(値)でしか判じられないものもあろうが、計れないものの中に "もっと大切な何か" が潜んでいるような気もする。
「美味い」「好きだ」「落ち着く」「懐かしい」…。こうした人間の感情(性)を数字で表すことは到底不可能だ。
1点を争う好ゲームを観戦しながら、そんな他愛もないことを考えていた。と、自宅から電話が鳴った。「今日は何時に帰って来っとね?夕飯の準備ん都合のあっとやけん」。嗚呼、ここにも数字に縛られている人がいた。
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