身を粉にして実を粉に - 「島原純情かぼちゃ」が完成 -
腕が、腰が、指先まで痛い。やはり寄る年波には勝てないのか、といささか侘しい気もするが、ある種 "達成感" にもひたっている。
春先の植え付けから始まって五カ月目、ついにカボチャの「粉製品」が完成した。まさに身を粉(こ)にして実を粉(こな)にした "労作" だ。
名づけて「島原純情かぼちゃ」。その意図するところは「あなた(全国の消費者)の美味しいと、島原地域の発展を願う、 "純" 粋な "情" 熱から生まれた自然食品」だ。
ここに至るまでには色んなことがあった。喜怒哀楽…様々な思いがないまぜになってキーボードを叩いている。たかがカボチャ、されどカボチャ。手伝ってくれた社員のみんなアリガトウ。
当社の入っているNTTビルはセキュリティの関係上、閉鎖構造になっているが、一時期は廊下から会議室までカボチャに占領されていた(まだ一部残っているが…)。
その数、約一千五百。一個一個の皮を剥き、中のタネ類を取り除く作業はハタ目で見るほど楽ではない。加えて天日干し。
NTTの許可を得て、屋上のスペースを貸してもらったが、真夏の炎天下とはいえ、水分の多いカボチャはなかなか乾燥しない。一週間が経ってもまだ生乾きの状態だ。
思いあぐねていたら、以前ソーメンを製造していた経験がある某社員が「ソーメンのフシを乾かす要領でやったらどうでしょう」。有家の業者さんや深江町の製粉屋さんの協力を得て、ついに製品化まで漕ぎ着けたのである。
七月末の日経新聞(土曜版)の『医食同源』というコラムに、かぼちゃの効能が説かれていた。筆者は東京・新宿医院院長の新居裕久氏。
かぼちゃはカロテン(ビタミンA)豊富な典型的緑黄色野菜。カロテンには、がん、動脈硬化、老化など促す活性酸素を消去する働きがある。
当社が作った西洋かぼちゃの一種のエビスカボチャで、日本かぼちゃに比べてカロテンの含有量は約五・五倍。ちなみにビタミンEは約二・五倍、ビタミンCは約三倍。
シミやシワ、皮膚がんの原因ともなる紫外線は活性酸素の一つ。かぼちゃは、カロテンとともにビタミンE、Cも多く含む素晴らしい活性酸素消去食品といえよう。
お医者さんにここまで "お墨付き" をいただけばもう迷いは不要。インターネットで調べたら、北海道の食品会社が50g五百二十五円で販売していた。
時あたかも島原市は「健康半島構想」の行政特区。お菓子、アイスクリーム、食材…。官民一体となった新たな "名産" の誕生に期待を膨らませている。
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