2006/11/02

人民は弱し官吏は強し - 「一流の田舎」を目指さねば -

 「いかさまに 身はくだくとも むらぎもの 心はゆたに あるべかりけり」(大御心・二二)。

 先年、明治神宮を参拝した折、目にした昭憲皇太后(明治天皇ご令室)の御歌で、手帳にその短冊を貼り付け、短気な自分への〃戒め〃としている。

 ところが昨日、とうとうブチ切れてしまった。何に?島原市役所某セクションの対応に、だ。

 顧問税理士の勧めで、弊社でもある申請をすることになり、そのための必要手続きということで市役所を訪ねた。ところが、わずか2枚のカードを作るのに小一時間も要した。

 顔見知りの職員でもあるし、それなりに〃一生懸命ぶり〃も伝わってきたので、まあ〃了〃としよう。

 夕刻、上司とともに再度訪ねた。「何か写真付きの身分証明書はお持ちですか」と同職員。「持ち合せていないので保険証で構わないか」と応じたら、「それだと郵送の手続きを踏まねばなりません」との回答。

 15分ほどが経過したろうか?閉庁の時刻でもあったので、「何をしているのか」と尋ねたら、「カードを作成するのに時間がかかって…」と自信なげな答えが返ってきた。

 結局のところは、当日の手続きは、書類に必要事項を書き込んだ時点で完了だった、のである。持ち前の悪い癖で、カチーン!!と来た。何に対して?手際の悪すぎる当事者は当然のこととして、「我関せず」といった周囲の雰囲気に腹が立った、のである。

 普通に考えて、わずか数時間前に〃予行演習〃しているわけだから、トントン拍子で手続き出来て良さそうなものだ。何より課内の白けきった空気…。

 「一体何なのだ」と叫びたい気持ちでいたら、何と日経新聞の同日付け紙面では「島原市は九州で10番目に行政サービスが良い自治体」と報じてある。オイオイ日経の記者は一体何を取材しているんだ!?

 などと、怒り心頭に達していたら、今朝の新聞では、金子知事が〃涙の記者会見〃。記事によれば、同知事が「預け」の実態を知ったのは1999年。「見える県政」「感じる県政」というのが出馬に当たっての公約ではなかったか。

 先日、社団法人・農山漁村文化協会から出版されている『一流の田舎町』(二流の都会づくりをやめた町)いう本を読んだ。著者は森澤茂さん(63)。

 武蔵野美大卒。日本リーダスダイジェスト社勤務の後、海外向けの広報業務を手がけていたが、ある町の教育長全国公募で役場の生活部門の参事に採用された〃元都会人〃だ。

 まあ、知事はともかくとして、市役所の職員の皆様には是非ご一読いただきたい。イカン、イカン、こんな事を言っていると、手痛いしっぺ返しが来るぞ!!星新一さんの名作『人民は弱し管理は強し』を再読しなければ…。


1 Comments:

At 3/11/06 21:22, Anonymous 匿名 said...

どこの役所も似たようなものなのかもしれませんが、挨拶もできない返事もできない人間が多すぎる。お役人だから、公務員だからなんてことは関係ない。社会人として、そして、一人の大人として最低限のことではないでしょうか?

そんなことさえできない人間が大勢いる島原市役所。根本的に意識改革が必要なんだろうなと思いますが、そのためにはやはり外側からの力が必要なんでしょう。変わろうという事はまったく考えていないようですから。

 

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