2006/10/24

今を正しく忠実に!! - 大好き『小沢昭一的こころ』 -

 パーンパパ、パパパパ、パーンパーンパン…。

『小沢昭一の小沢昭一的こころ』(TBSラジオ)の大ファンである。はまって聴いているわけではないが、オープニングの音楽が流れると、ついつい顔がほころんでしまう。

 地元ではNBCラジオで午後4時25分から。最近はインターネットでも聴けるようになって嬉しい限りだ。話題はペーソスあり、社会風刺あり、笑いありで、 毎回毎回感心(時に感動)させられている。願わくは本欄も「清水真守的こころ」として定着できるよう成長していかねば!!

 ところで、もう一月も前になろうか、島原市議の上田泉さん(共産党)からお小言を頂戴した。「清水君ね、学生時代とか昔のことはもういいの。今を書きなさいよ、今を。もっと真面目にね。楽しみにしているんだから - 」。

 お説ごもっともだと思ったが、文章にはそれぞれスタイルがあるし、生き様も異なる。上田さんには失礼かもしれないが、今しばらくはこの〃軟弱路線〃で進ませていただくことをお許し願いたい。

 ということで、小沢昭一さんに戻る。初めてその謦咳(けいがい)に接したのは30年も前のこと。所は東京・一橋講堂。出っ歯が売りの作家の井上ひさしさんや永六輔さんらと現れて「ハーモニカが欲しかったんだよー」と調子はずれの唄を聴かされた。

 以来、何となく気になる存在で、時々エッセイ本を買ったりしている。数年前、山手線の中でお見かけした折はすっかりお年をめされていたが、紺色のバーバリーのダッフルコートと、黒のリュックのコディネートが素敵だった。

 まあ、こんなことはどうでも良いのだが、小沢さんと同世代の作家に関西在住の藤本義一さんがいる。学生時代から脚本の世界で井上ひさしさんと覇を競っていた才人で、年配の向きには「11PM」(よみうりテレビ)の司会者としても懐かしい存在だろう。

 その藤本さんが最近書き下ろした『徒然草が教える人生の意味』(大和書房)という本が実に面白い。「心の座標軸を見つける18章」というサブタイトルがついており、藤本さんは片時も離さず、頁をめくっては、自らの人生と重ね合わせている、という。

 中身については稿を改めて紹介したいと思うが、「古典を読み原点に還る」という姿勢は、流行や現象面ばかりに思考を弄ばれる現代人へ向けられた大いなる〃警鐘〃でもある。

 《日月というものは、過ぎ去った日のこととか、これから迎える日のことばかり考える必要はない。現在、与えられた時間に対して自分が正しく忠実に生きているかを自己に問う時こそが肝要なのだ》

 上田さんからのご叱責と併せ、深く考えさせられる言葉だ。