2006/11/07

「文化の日」の事件簿 - 福崎さん、あなたが福の神!! -

 何とも奇妙な「文化の日」だった。朝、いつものように母が庭木に水を撒いていると、何やら得体の知れないベージュ色の〃物体〃が植え込みの中に潜んでいる、という。

 母は戦争を体験しているだけに〃気丈〃な人で、筆者が恐れて近づけないヘビが出てきても、何やら訳の分からない〃呪文〃を唱えては追っ払ってしまう。その母が驚いている。

 何だろう?恐る恐る近づいてみると、年老いた大型の野良猫だった。顔を覗き込むと、涙を流しているようにも見えた。

 脚を痛めているのかなあ、可哀そうだなあ…とも思ったが、いつも〃フン害〃を被っている我が家にとっては、ここでお陀仏されても迷惑な話だ。が、どうしても動く気配がない。

 仕方ない、市役所に相談してみるか…。ということで当直の人に電話したら「保健係と連絡を取ってみます」との返事。しばらくして「すぐ行きます」との回答。

 さて、そこから〃捕獲大作戦〃が始まったわけだが、係の若い職員(とても感じが良かった)と二人で近づいたら、何やら元気を取り戻したみたいにフラフラと歩き出した。

 でも、足取りが覚束ない。ヨタヨタと数メートル進んでは、その場にへたり込む。「ここまま放置しておけば、きっと車に引かれる」との見方で一致した。

 最初は箒で追い詰め、素手でダンボール箱に誘い込む作戦を敢行。が、敵もさるもので、車の下や狭い路地に逃げ込んで、一向にラチがあかない状況がしばらく続いた。

 「やっぱ捕獲用のアミん要るばい」ということで作戦変更。最終的には成功したものの、完了までには一時間半もかかった。

 今度は、そうこうするうちに、何やら綺麗な小鳥がガツーンという音とともに新聞社の壁面にぶつかって、空から落ちてきた。くちばしが長く、羽には綺麗な瑠璃色のラインが走っていた。

 初めは「脳震盪かな。そのうち元気が出るだろう」と手のひらで温めていたが、とうとう元気を取り戻せないまま他界した。後で聞いてみたら、カワセミだという。庭の一角に手厚く葬った。

 その騒動の最中、福栄会長の福崎理智子さんが訪ねて来られた。「実は朝っぱらから色んなことがありまして…」などと話をしたら、「二度あることは三度ありますからねー。さて今度は何でしょう」と、悪戯っぽい表情を浮かべた福崎さん。

 確かに、このところ差出人不明の投書が寄せられるなど、余り気持ちの良い心境ではなかったので、一瞬ドキッとしたが、よくよく考えてみたら、「福崎さん、貴方がその三番目ですよ」。

 「幸福の『福』に、栄光の『栄』」。ホッとして墓参に出かけた次第。