20桁目が「不可思議」…渡辺清孝さんの或る勘違い
‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
瑞穂町伊古が〃ルーツ〃である、本年度のノーベル化学賞受賞者、下村脩さん(80)に「文化勲章」が贈られることになった。さらには「名誉県民」(長崎県)&「名誉市民」(佐世保市)とオメデタ続きである。
まさに「郷土の誉れ」であり、先ごろ上京した折も、会う人ごとに受賞話で盛り上がった。その中から〃傑作選〃を1つ。
既報の通り、下村さんは2006年度に「朝日賞」を受けている。この賞は学術世界に留まらず、文化、芸能など幅広い分野で活躍した人に贈られるもので、下村さんと同年度の受賞者には小説家の村上春樹さん、狂言の野村万作さんらがいる。
「日本の作家で一番ノーベル賞に近い」と言われている村上春樹さんの名前が取り上げられているのも、すでにこの賞を受けているからだろう。
実は、この「朝日賞」ではないが、「朝日スポーツ賞」受けた島原半島人がいる。2000年度に受賞した、前国見高校サッカー部総監督の小嶺忠敏さんだ。
筆者が〃傑作選〃に取り上げたいのは、小嶺さんとも極めて近しい国見町多比良出身で、関東島原半島会の重鎮としても活躍中の渡辺清孝さんから聞いた話だ。
渡辺さんによると、「朝日スポーツ賞」の受賞者は、帝国ホテルで開かれる祝賀パーティに本人以外に3人の同行者を許されている、という。いわゆる正式な〃招待客〃として。
ある日、同賞事務局から渡辺さんのもとに「何月何日何時から朝日スポーツ賞のパーティを開催するので、貴方様にも是非ご出席いただきたい」旨の案内状が届いた。
最初のうちは「何のことやらサッパリ?」と首を傾げていた渡辺さんだったが、想像をたくましくしているうちに、ある結論にたどり着いた。
「そう言えば、俺は大学生の頃、毎朝3時半に起きて朝日新聞を配達していたからなぁ。でも、それから何十年も経っているのに、今頃どうして…。まぁ天下の朝日だから、特段変な誘いではないはず」。〃半信半疑〃のまま正装して指定の時刻にホテルに到着してはじめて〃事の次第〃が判明したのだ、と。
経過をたどってみれば他愛もない話であるが、これが渡辺さんの口調を通して聞くと、何十倍にも面白く聞こえてしまうから、とても不思議だ。
ところで「不可議」と言えば、仏教用語「不可思議」の略称であるが、一、十、百、千、万…と続けていけば、二十桁目の「単位」の呼び方が「不可思議」なのだそうだ。
いま、世の中は米国に端を発した株価の暴落や円高等で、先行きが読めない状況が続いているようだが、それとて高々「兆」の位ではないか。
まだまだ人間には「不可思議な力」が残っているはず。渡辺さん、そうでしょう!!
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