2008/10/29

風邪は自然に任せる!?…高倉健に倣って立待したが…

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

早くも風邪をひいてしまった。一昨日から鼻はグスグス、目はショボショボ、時おり大きなクシャミをしては周囲のひんしゅくを買っている。幸いなことに、少し出かかった発熱は、生姜湯と玉子酒のダブル効果で、すんでの所で食い止めた。ただ、少し体がだるい。

よく「風邪は万病の元」と言われるが、以前ある人の薦めで野口晴哉(のぐち・はるちか)さんという整体師の方が書かれた『風邪の効用』という本を読んだことがある。

簡単に言うなら、風邪を退治しようというのは間違いで、経過するものとして捉えるべきだ、という論旨。つまり、熱が出ても成り行きに任せておけば、あとは自然と治癒するものである、と説く。

著者はその一連の過程を「蛇が脱皮をするようなもの」と例えている。確かに言われてみたら、発熱後の爽快感はかなりのもの。興味のある方は「ちくま文庫」から出ているので、ご一読を。630円。

とは言っても、昨今の「RSウイルス」などによる新型インフルエンザは、決して侮れない恐い病気だ。ご心配の向きは早めの予防注射を!!ウン?ところで俺は今日、一体何を書こうとしているのだろう。度重なるクシャミと咳で、ただでさえ渇水状態の脳味噌に何か異変が起きたか!?

そうそう思い出した。今日は「風邪の話」だった。先日、東京・目白の「椿山荘」で開かれた吉永小百合さんの「トークショー」でのこと。吉永さんにとって、今回の『まぼろしの邪馬台国』は数えて113作目。「風邪の話」が飛び出したのは、1980年に「高倉健さん」と共演した『動乱』撮影中の一コマ。

この映画は北海道がロケ地となって撮られ、吉永さん自身も「もっと寒さに強くならなければ!!」と、クランクイン前夜(冬場)に窓を開けたまま眠ったのだそうだ。

結果、風邪をひいてしまった吉永さんだったが、さすがに「健さん」だけは違った、と。万全の体調で臨み、昼食の時もロケバスに戻ることもなく、立ったままの姿勢で黙々とカレーを食べていた、という。

吉永さんはこの時、凄まじいまでの「健さん」の〃役者魂〃を目の当たりにすることによって「再び映画の世界で頑張って行こう、と思い直しました」と述懐していた。

さて、問題はこのトークショー後のこと。ホテルの関係者から別室に呼ばれた筆者を含む「地元3人組」は、「吉永さんと記念写真を撮りましょう」との甘言に引かれて、ある部屋で待機。

途中、椅子を薦められたが、健さんばりに立ったままの姿勢で待つこと約20分。残念ながら、吉永さんはスケジュールの都合とやらで、ついぞ現れずじまい。「高倉健」ならぬ「長崎県」の面々はぐっと唇を噛みしめたのでありました。