2008/10/11

「男の修行」について…山本さんからのメッセージ

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

機器の調整で山本悌一郎さん(緑町)のもとを訪ねた弊社の社員が、20年以上も前の島原新聞の切り抜きと併せて、山本五十六語録と、海軍兵学校・五省の写しを預かってきた。

聞けば、「これを君の所の専務に渡してくれ!!」との言伝(ことづて)を添えられたとの由で、かしこまって頂戴した次第。

山本五十六篇の「男の修行」にはこう記されていた - 〈苦しいこともあるだろう。云い度いこともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つこともあるだろう。泣き度いこともあるだろう。これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である〉

また、海軍兵学校の「五省」にはこうあった - 〈至誠に悖(もと)るなかりしか。言行に恥ずるなかりしか。気力に欠くるなかりしか。努力に憾(うら)みなかりしか。不精に亘(わた)るなかりしか〉

いずれの文章も文語調の重々しい響きで、いちいち山本さん独特の、あの迫力満点の声音(こわね)で諄々(じゅんじゅん)と諭されているような気がしてならない。

山本さんとは、筆者の結婚披露宴で総合司会の大役をお願いして以来の古い付き合いだ。でも、なぜ今のこの時期に、このようなメッセージを…。

にわかには思いつかない。ひょっとして、先般新潟へ出張したことを本欄に書いたことがお目に留まったのだろうか…。

下種の勘繰りはさておくとして、事実、筆者は先月末に山本五十六の生誕地、新潟県長岡市のFM局を訪ねている。二度目の訪問だったが、被災地同士ということで、先方の社長ともやけに馬が合った。

長岡に限らず、弊社が親しくさせていただいている局の関係者には〃歴史好き〃が多い。都城に行くと「島津発祥の地」から始まり、延々と「西郷神話」が続く。

筆者は格別〃歴史好き〃ではないが、いずれの地でも歴史上の「郷土の英傑」について熱く語る姿が目に付く。例えて言うなら、これが「土地のDNA」と言われるものだろうか。

越後・長岡はひとり山本五十六に限らず、河合継之助(峠)、小林虎三郎(米百俵)ら多くの「偉人」を輩出している。そして来年のNHK大河ドラマの主役は、上杉謙信・景勝父子の知恵袋として活躍した直江兼続だ。

折りしも今年の同ドラマの主役は、宮崎あおいの熱演で大人気の「篤姫」(薩摩)。特段意図したわけではないが、結果としてこうなったことに、ある意味〃歴史の必然性〃を感じる。

もっと言うなら、再来年の同ドラマは「坂本龍馬」。島原を起点に都城(霧島)、長岡、土佐へと繋がる〃未来ドラマ〃を夢みている今日この頃だ。

また、こんな事を書いてしまって…〈言行に恥ずるなかりしか〉。山本さんの野太い声が耳に痛い。