2008/12/16

百年後の世の中は…約7割の「夢」は実現する!?

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

15日は一般紙が休刊だったので、朝からテレビのワイドショーで世の中の動きをチェックしたところ、各局ともスポーツ新聞の記事を取り上げていた。

目を引いたのは、スポーツ報知紙の見出し。麻生総理が前日、北九州市内の環境ビジネス関連の会社を訪ねた際にもらした感想の一言を、「復活」(舌禍)と揶揄(やゆ)している。記事によると、総理は、やくざ社会で流通している「しのぎ」という表現を使った、というのだ。

一方、同一紙面で、テレ朝系の報道番組にそろって登場した山崎拓・加藤紘一・菅直人・亀井静香の四氏による「新YKKK」ラインを取り上げて、「加藤の乱・復活か」とシャレているのだ。

見方によっては、皮肉の効いた名編集と言えないこともないが、きちんと辞書にも載っている言葉を総理が使ったからといって、正義感を振りかざして「怪しからん」とする姿勢には、やや疑問を感じる。

田舎で言う「破れ口」が麻生さんの魅力であることは周知の事実であって、今更ながらに憤ってみせることに幾ばくの意味があるのだろうか…。一般紙では見かけない、そっち系の週刊誌の広告等を掲載しているのは他ならぬスポーツ新聞でしょ。

それとも、本紙が休刊だったために、成り代わって〃成敗〃したつもりなのだろうか。まあ、ゴシップ記事と割り切れば、合点がいかないでもないが…。

ところで、スポーツ報知と言えば、今では読売系のスポーツ紙だが、元をたどれば、明治5年発刊の歴史のある日刊紙。かつては「東京五大新聞」の一角を占めていた(ウィキペディア)。

日本で初めて「職業案内」欄を設けたことでも知られ、この募集広告を見て日本人第一号の婦人記者が生まれた。後に羽仁吉一氏の夫人となる羽仁もと子さんだ(『都市の論理』の著者羽仁五郎氏は娘婿)。

また、日テレ系の正月の人気番組「箱根駅伝」も同紙の肝煎りで大正9年にスタート、今日に至っている。ちなみに、来年は第85回の記念大会だという。

実は、この報知新聞が20世紀初頭(1901年)の正月紙面に、何ともユニークな企画を組んでいることを、丹羽宇一郎氏(伊藤忠商事会長)の講演著作集を読んで知った。

それは百年後の予想記事だ。内容的には「7日間での世界一周」「機械で温度調節した空気を送出」「動物との会話」などといったもので、科学技術等の革新で、そのうちの7割方は実現できている、という。

丹羽さんは過去のこうした事例をもとに、次の百年でも約7割の「夢」は実現できるはず、との「仮説」を立て、ITをベースとした様々な分野でのイノベーションの登場に期待を寄せている。

さあ、今日のところはこれで「シノイダ」ぞ!?