「常識」って何だろう?…普段何げなく使っているが…
‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
「まーた、こん子は〃ジョーセキ〃ばかり言うて!!」と、母がガンゼナイ我が息子相手によくこぼしていたことを思い出す。はて、「ジョーセキ」って一体どういう意味?
漢字で書くと「上席」、それとも「定石」…?母に言わせると、「聞き分けがない」とか「我がまま」とかを指すらしいが、だとすれば「ガンゼナイ」(頑是無い)とほぼ同義語だ。
さて国会では、追加経済対策のための第2次補正予算案の提出をめぐって、与野党間で激しい攻防が続いている。報道によれば、「来週末までの提出は難しい」とする自民党。大森国対委員長は「あくまで(野党側の)〃常識〃の判断だ」と憮然たる受け答え。
一方、同党総裁でもある麻生首相は19日に開かれた全国知事会議の席上、「医師には社会的〃常識〃が欠落している人が多い」などと口を滑らせて物議をかもしている。
日本語の「常識」や「良識」に当たる英語での表記は「コモン・センス」であるが、その語源をたどっていけば、18世紀後半のアメリカ合衆国独立当時まで遡らなければならない。
言い出しっぺはイギリス生まれの思想家、トマス・ペイン。独立戦争勃発翌年の1776年に『コモン・センス』を著し、その正当性を主張した。
その中で、ペインは君主の世襲制を原則とした、当時のイギリス政治の在りようを痛烈に批判。著作はフィラデルフィアで刊行されるや否や、わずか3か月間で12万部を売り上げた、という。
結果として、この思想が世論を大いに喚起し、独立への道筋を拓くことになる。さらには、後のフランス革命(1789年)までつながっていく。つまりは「常識の勝利」であった。
さて、ふだん我々は何げなく「常識」という言葉を使っているが、実は、前段のような「歴史的背景」があった、のだ。
えっ、世界史を勉強していれば、そんなん〃ジョーシキ〃って?まあ、そんなに尖がりなさんな!!
一方で「常識やぶり」という表現もある。これは良い意味でも、悪い意味でも使われているようだ。一例を挙げれば、北野(ビート)たけしの、あの有名なフレーズ。
「赤信号、みんなで渡れば、恐くない」は、何とも社会風刺に富んだ名(迷)コピーである。ところが昨今は、「常識外れ」というか、「常識を逸脱した」事件が多すぎる。
先般、深江町で開かれた教育講演会では、作家の椎名誠さんが「日本の常識は世界の非常識」と大いに嘆いていたが、同感!!
が、それ以前に、校長先生が子供の買春に走ったり、警視庁の警視が飲酒・当て逃げ事故を引き起こしたりするなんて…。
これってもう「常識以前」のことだと思いませんか、皆さん?
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