足らんた〃バーカ〃…とっても分かりやすい性格!?
‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
「父子」とは似通ったもので、我が家の三男坊君もよくコボス。とは言っても「不平」「不満」の類いではなく、食事をしながら必ず何か「騒動」をシデカスのである。
時に牛乳であったり、味噌汁であったりと…。たまに家人の妹一家が帰省した時などに見せる仕種は、まるで従弟に当たる「乳飲み子」のそれだ。
周囲はハラハラしながらその手元を見つめ、「ほらヤルゾ!!」と言ったら、必ずその期待(?)を裏切ることがない。以前は少しふて腐れたり、涙ぐんだりしていたが、今では堂々たるものである。
その不器用息子が一昨日夜、台所で何やらゴソゴソ。家人が脇に立って、時計を見ながら号令を掛けている。聞けば、高校の家庭科学習で行われる「キュウリの早切り」に挑んでいる、とのこと。
「ご苦労なこと」と鼻でせせら笑っていたが、本番では30秒間(?)で89枚も刻んだというから、我が子ながら「大した奴」。いっそのこと、中村孝明さんにでも預けようかな!?
ここまでくると、相当な「親バカ」である。自覚もしているが、何であれ、一つ物事に真剣に打ち込む姿は美しい。もっとも、そのお蔭で、昨日から「キュウリ漬け」だ。
ところで「バーカ」と言えば、昨夜の午後10時からの倉本聰脚本のテレビドラマ(フジ系)を観ながら、母が、主演の中井貴一の服にへばり付いた「山林の枯れ草」のことを、そう呼んでいた。
全然知らなかったので、翌朝になって家人と息子に尋ねたら、「昔からそがん言うとん。知らんと?」と蔑まれた挙句、「バーカばい!!」とトドメを刺されてしまった。
ゴルフであと少しの所で「オン・ザ・グリーン」を逃した時に使われるのが、「足らんたバーカ」という表現で、これを聞いた時は本当にガックリする。
一方で「ホメ殺し」という手法もある。最大の使い手は、某私鉄役員のTさんだ。チョロをしようが、OBを打とうが「ナイスショット!!」と声を掛けて下さる。ご本人に悪気がないだけに、余計に始末が悪い。
この辺りが、ゴルフが「心理ゲーム」と称される所以だろうが、何によらず「平常心」を保つことは難しい。筆者などはすぐに「一喜一憂」してしまう。
周りの人間に言わせれば「とても分かりやすい人種」なのだそうだ。よく言えば「正直」だが、頭の構造が「単純」であることに他ならない。
しかし、「シンプル・イズ・ベスト」という言い方もあるし、50歳を超えて今更「性格改造」もなかろう。与えられた「環境」で常に「最善」を尽くすこと。それが論語でいうところの「天命」であろう。
が、残念ながら、時々その「道理」を忘れてしまう。やっぱ「バーカ」ばい。
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