「つんく♂」の提案!!…「花火」を見るな「顔」を見ろ
‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
クリスマスイブのその日。いやいやその前夜も、筆者の肉体と精神は「もっぱら君」という弊社イメージキャラクター(着ぐるみ)の中にいた。2日間とも《午後7時集合、本番開始同8時》というスケジュールをきっちりと守り〃精一杯〃頑張った。
成果は上々であった。ナビゲーターの導くままに、たどたどしい足取りで〃現場〃に到着するや否や、子供たちが一斉に群がってきた。「あっ!もっぱら君だ」「触ってもいい?」「握手して」「脚を上げてみて」「走って」「3回飛んで」…。中には思い切り頭をひっぱたく悪ガキも。
真冬の最中であるが、15分もすると着ぐるみの中は〃蒸し風呂〃状態となり、汗(一説によると涙)が吹き出てくる。子供たちはどこまでも付きまとって離れない。記念写真の要望もひっきりなしに続いた。
約1時間の〃本番〃は肉体的にはきつかったが、終了後には何とも言えない〃達成感〃を味わうことができた。それもこれも子供たちの〃お蔭〃である。
〃オマケ〃と言っては何だが、2日間で体重は3キロ減。会社の若手にその〃束の間の歓び〃を伝えたら、「明日から『もっぱら君』で通勤したらどうですか?」という、何とも悩ましい〃命題〃を突きつけられてしまった。
フェンシングのお面のような〃網の目〃越しに眺める「もっぱら君」の視界は異常に狭い。ましてや夜ともなると、輪郭を掴むのにも一苦労だ。ただ、そのぼんやりとした視線の先に、子供たちの無垢な瞳が輝いているが分かる。
プレジデント誌・1月12日号に「モーニング娘」の生みの親として知られる芸能プロデューサーの「つんく♂」が、『消費不況の中、ヒット商品をつくるにはどうすべきか』とテーマで寄稿している。
曰く - 。「花火大会で次々と打ちあがっている花火に見とれていてはいけない。ヒット商品を世に先駆けて送りたいなら、『キレイだぁ』と花火を鑑賞している人たちの『顔』をよく観察すべきだ」と。
たまたま「もっぱら君」出演の直前に読んでいた文章だったことと、その場所が「がまだす花火大会」(毎年8月下旬開催)と同一会場だっただけに、余計にその言葉の意味を噛み締めた次第。
確かに、色んな動物の姿態を表現した1万2千個ものイルミネーション(電飾)は鮮やかであるが、肝心な点は参加者の〃主体〃である子供たちや、引率の人々の〃受け止め方〃にある。
単に「プレゼントが貰えるから」「観光の冬場対策で何かしないといけないので」…などといった取り組みでは、いずれ壁にぶち当たることは火(電飾?)を見るより明らかである。
要は、関係者の知恵と熱意。来年も再来年も…「もっぱら君」もさらにパワーアップして頑張る!?
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