2009/11/25

芸術は長く人生は短し…回顧展『ふるさとの風』閉幕

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

おかげさまで故・永ノ尾秀邦さん(後に財津→池上栄邦に改名)の回顧展『ふるさとの風』(21日~23日、島原観光ホテル小涌園)も無事、成功裡に幕を閉じることができた。

ご後援をいただいた島原半島内三市、同教育委員会、島高第21回卒の皆様、並びに会場を訪ねて下さった多くの方々に、心より感謝申し上げる次第だ。有難うございました。

そして何より忘れてならないのは、永ノ尾さんの母校「島原高校」の心温まる対応ぶり。辰田校長先生、川村事務長さん(21回卒の同級生)、美術部の谷口先生、部員の皆さん、本当にお世話になりました。

つくづく振り返ってみると、「芸術」の持つ力の大きさに改めて驚く。たとえ「肉体」はそこになくとも、一つひとつの作品がその「存在の確かさ」を今に、いや未来永劫に伝えてくれるのだ。

ひるがえって我が身はどうだろう?食って、飲んで、寝て、些細な事に腹を立て、小さな欲望を満たして…。来る日も、来る日も、そうした「単純生産」と「消費」の繰り返し。もう、まったく厭(いや)になるバイ。

偉大なる哲人、故・中村天風翁は説く - 「肉体と心の間に介在するものは何か?それは『意識』である」と。その上で「積極果敢に生きよ!」とアドバイスをくれる。

「ならば!」と日々いきりたって臨むのだが、お天道様が真上に来られる頃には、もう「惰性」に溺れている。鏡を見ると、呆けた「間抜け面」が醜態を晒している。

無精ひげにも、近頃とみに「白いもの」が目立つようになった。と言うより、半分は「白髭」で、若い頃よりヒマに任せて抜きまくっていた顎の部分は「不毛地帯」である。

かてて加えて、ここ数日は「吹き出物」に悩まされている。たまさか出会えた崇城大学の村上光太郎先生(薬学)によると、「そんなのドクダミで一発だよ!」との見立て。

念のため、近くの病院に行ったら「毛穴(汗腺)が炎症を起している」との診断。「どう見ても上品には見えんけど、肌だけはやたら敏感なんだよなあ…」と軽口を叩かれた。

その挙句、周囲にいた3、4人の看護婦さんに「(筆者が)上品に見える人」と〃決〃を採られる始末。結果は、1人だけが賛成の挙手。残りはすべて体制派(!?)であった。

ところで連休明けの昨日は、この「吹き出物」バージョンを皮切りに、耳鼻科、歯科…と4つの医療機関を巡回してきた。自分で言うのも何だが、肉体はもうすっかり「老人の域」に達しているようだ。

「アート イズ ロング/ライフ イズ ショート」(ヒポクラテス)。目に、鼻に、肌に、腰に…。老いの訪れが、そぞろ身に染む秋の夕暮れである。