げに恐ろしきはオンナ…「コンクリート」の意味するもの
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
男心(女心)と秋の空 - 。移ろいやすいものの例えだが、このところは晴天続きで、いささか拍子抜けするほどの穏やかさだ。
それにしても残忍極まりない事件が後を絶たない。関東近郊で34歳の「婚活」サギ女による連続不審死事件が露見したかと思っていたら、今度の主役は鳥取県&35歳女!まるで同世代女性による凶悪犯罪の〃東西対抗〃ではないか。
週刊アエラ(11月9日号)で特集されている前者の特集記事を読むと、容疑者は北海道生まれ。高校当時の制服姿が目隠し状態で掲載されているが、どう見ても〃男心〃をくすぐるようなタマには見えない。
一方、発覚したばかりの後者に関しては、不審死をとげた6人の男性と、容疑者(もう1人46歳の男性も)との関係が〃相関図〃で示されている=朝日・7日付社会面。
被害者の中には、こうした〃社会悪〃と戦うべきはずの警察官や新聞記者も含まれており、何とも言い切れぬ思いがする。
イギリスの大劇作家シェークスピアは「弱きものよ、汝の名は女なり」(ハムレット)という名台詞を遺しているが、残念ながら、その言葉の〃真髄〃は21世紀の現代ニッポンには当てはまらないようで…。
ところで、「シェークスピア」と言えば、誰しもが認める言葉づかいの名人である。別段、それにあやかるわけではないが、このところ少し気になることがある。ほかでもない民主党政権の皆さんがよく使われている「コンクリート」という表現だ。
曰く「コンクリートから人へ」 - 。その意図するところは無駄な公共事業を見直そうというもので、言葉遊びをするならば、「(大型)ダムはムダだ」といったところだろうか。
そうした〃信念〃のもとに戦い抜いた結果、長年続いた自民党政権(55年体制)を打ち倒したのだから、それはそれで結構なことである。否定もしない。
ただ一方で、それらを生業(生活の糧)としてきた人々の〃悲痛な声〃も是非聞き逃さないでいただきたい。「ただでさえ仕事が少なくなっていたところに、追い討ちをかけられてしまうのでは…」と不安におののく地方の事業者も沢山いるということを。
まあ、釈迦に説法だろうが、英語で言う「コンクリート」には別の意味がある。形容詞の場合は「具体的な」という使い方をするのだ。蛇足だが、その反意語が「アブストラクト」(抽象的な)。
(無機質な)結合体という名詞の「コンクリート」から、肌の温もりが感じられるような「人」へ向けて政策が大転換されることは、傍目には〃美談〃に映る。
ただし、くどいようだが、庶民の生活の問題は「いつも具体的なのだ」ということを忘れずに、政策論争の「コンクリート詰め」にだけはしないでいただきたい。お願いします。
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