政治は最大の権力か…いつしか「松下政経塾」だらけ
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
鳩山内閣の手法しかりだが、最近の政治(行政)ではどうも、「藪から棒」的に計画を打ち出すのが流行(はやり)らしい。
民主党が自公連立政権への積年の恨みを晴らすべく、矢継ぎ早に補正予算の執行に対し「待った!」をかけている様子が連日テレビに映し出されている。それはそれとしても、広島&長崎両市長による「2020年度オリンピック誘致表明」には心底驚いた。
昨日(13日)の夕方、ニュースを聞きながら車の運転をしていたら、長崎市議会の各会派の代表が、口を揃えて「不信感」を露にしていた。まあ、地元自治体にとっては「財政上の問題」も避けては通れないだけに、当然と言えば当然の反応であろう。
東京都が今回の招致合戦でつぎ込んだ〃税金〃の総額は、真水部分だけでも150億円と言われている。事前の段階でさえこれだけの経費が掛かるのだから、いざ本番となると一体いくらになるのか…。
ただ、両市長の思惑も分からないではない。「地球上からの全ての核兵器の廃絶」を願って仕掛けるには、最大にして最も効果的なイベントと足り得るのがオリンピックであろう。
かと言って、今さら『オリンピック憲章』なるものを紐解こうという気にはなれないが、子供の頃に教わったクーベルタン男爵(近代オリンピックの創始者)の言葉は確か、「(勝つことよりも)参加することに意義がある」というものだった。
しかしながら、その考え方はオリンピックが「純然たるスポーツの祭典」という本来の開催趣旨を満たして始めて〃光〃を発するもので、政治やビジネスが先行してしまっている昨今の風潮では〃絵空事〃でしかないのかも…。
最近つくづく思うのだが、果たして政治は「最大の権力」なのだろうか…。発足後間もない鳩山政権の顔ぶれを見ても、松下電器(現パナソニック)創業者の松下幸之助氏が生前に創設した「松下政経塾」出身者の多いこと!
まず思い浮かぶのは、就任後間もなく「脱ダム宣言」を行った前原誠二国交大臣。お隣・佐賀県選出の原口一博総務相もそう。他にも沢山いるが、よくよく考えてみると、官房長官(平野博文氏)だって松下電器労組の出身者である。
そんなこんなを考えてみたら、どちらかと言うと「経済界が政治家を生み出している」というのが昨今の政界の現状ではなかろうか。そうそう、「松下 - 」以外にも、経営コンサルタントの大前研一氏が主宰している「一新塾」というのもある。
見方を変えれば、「政治」と「経済」とはそれほどまでに密接な関係にあるということの証しでもあろうが、「あいつもこいつも松下政経塾出身」という政治状況が果たして正常と言えるのか…。どうなんでしょうね、経営の神様?
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