2009/09/26

何が「水前寺」と違うか…そろそろ考え直しましょう!!

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

断っておくが、誰かを責めるつもりで書いているのではない。他でもない、水都・島原のシンボル「白土湖」のこと、である。

島原湧水群の1日当たりの湧出総量は、市全体で20数万トンと言われている。白土湖のそれは約4万トンと言うから、5分の1に相当する大変な量だ。

その白土湖がいま〃危機的局面〃を迎えている、と言ったらいささかオーバーか。ただ、市民の一人として「これが島原のシンボルです!」と胸を張るには、少々勇気が不足する。

筆者自身、植物学や環境工学の専門家でもないので、正確なところは何一つ把握も出来ていないし、根本的な解決策など思い浮かぶ由もない。ただ、何ともモドカシイ限りだ。

こうした場合、得てして役所の対応が槍玉に上がるが、これまでの〃経験則〃からして、そのやり方は余り〃効果的〃とは言えない。 

何故なら、彼(女)ら職員の生活と、白土湖の実態とは、何ら直接的&実利的な関係などないからだ。同じようなことが一般市民についても言える。

話は変わるが、昨金曜日、熊本市へ出かけた。監督官庁への業務報告を兼ねての出張であったが、約束の時刻まで少し間があったので、久方ぶりに「水前寺公園」まで足を延ばした。

拝観料400円を支払って三つ折りのパンフレットをもらった。表紙のタイトルには「出水(いずみ)神社神苑・水前寺成趣(じょうじゅ)園」と刷られている。

この際、由来の話は省く。ただ、単純に「湧水の状態」を見たかっただけ、だったからだ。澄み切った綺麗な水で、何より〃視界〃が開けて気持ち良かった。

観覧する側からすると、これだけでも随分と印象が違う。大きなニシキゴイがゆったりと泳ぎ、カモやハト、サギなどの鳥類ものどかに寛いでいた。

一方、我が白土湖。確かに水そのものは清冽で、野鳥の類いも佇んでいる。ここまでそう変わりはない。決定的に異なるのは、湖面全体を覆う「水藻」と「柘植」などの目隠し植栽、それに中央付近に鎮座まします「噴水」施設である。

不可抗力的(?)に大量発生した水藻は別としても、後二者に関しては、昨今の風潮からすると、いささか〃時代錯誤〃という気がしないでもない。

ただ、いずれの施設も、関係の皆さんが「島原のために良かれ!」と思って造られた施設である。その心境を慮れば、「除去云々」と言っても、そうそう簡単な話ではない。それは分かっている。

だけど、である。観光客、いや市民の皆さんが「現状を是」とされるだろうか。当社も出稿した、長崎新聞(24日付)のジオパーク関連広告の掲載写真(白土湖)を見て、複雑な思いにかられたのは筆者だけではないはずだが…。