ヤマボウシ生き返る!…一足はやく「僕の育樹祭」
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
「曼珠沙華どれも腹出し秩父の子」=金子兜太。秋分の日は過ぎてしまったけれど、「彼岸花」の別名を持つ曼珠沙華(まんじゅしゃげ)は何とも律儀な花だ。それまで姿形を見せないでおきながら、一晩でスルスルと茎を伸ばし、いつしか見事な花を咲かせている。
稲穂が色付き始める頃合いを見計らったかのように、忽然と顔を出す。黄金色の棚田との絶妙な取り合わせは〃被写体〃としての人気も高く、米どころの佐賀県などではカメラの放列が並ぶ。もちろん、その〃季語〃は秋だ。
ところで、皇族殿下を百花台森林公園にお迎えしての「第33回全国育樹祭」まで、いよいよ後十日を切った(10月4日開催)。大会テーマは「未来へと夢をつないで育てる緑」。式典には8千人近い参加者が見込まれる、という。
こちらが正式な「育樹祭」だとすれば、僕だけの「私的な育樹祭」が数日前から始まっている。宮本造園社長の宮本秀利さんから指摘を受けて、先日から取り組んでいる「ヤマボウシ」の再生計画だ。
2週間ほど前には、ほぼ〃仮死状態〃だった。「もう間に合わんかも知れんが、とにかくタップリと水を遣りなさい」 - 。素直にその教えに従って、朝な夕なに必死の〃給水作戦〃を展開した結果、見事に生き返ったのだ。我が社のヤマボウシが!
〃異変〃に気付いたのは、シルバーウイーク最終日の23日朝。いつものようにホースで水かけをしていると、目線の先に青々とした一枚の若葉。「まさか?」と思って視線を上の方に移していくと、頂上付近ではさらにその数を増しているではないか。
思わず心の中で「ヤッター!」と叫びながら、いつもより多めに、そして丁寧に根元を潤した。本当に一時期は、木に対して「申し訳ない」「もう取り返しがつかない」…という後悔の念でいっぱいだった。
が、今は違う。今朝も夜が明けるのを待ちかねるかのように早起きして、水をかけている。末端の枝全体にも新芽が次々と伸びて来ているのを確認できて、心底ウレシイ!「出来たら政治や経済の世界もこうあってほしいものだ」などと勝手な〃妄想〃を抱いたりもしている。
「良樹細根」とは、イエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんの言葉だ。また、「ヤマボウシ」の白い花は先の香淳皇后(久邇宮良子様)が大好きだった、というエピソードを期せずして思い出した。
朝から一仕事終えて再び「再生!ヤマボウシ」の姿を眺める。気のせいか、先程より新芽が大きくなったように見える。再びウレシイ!「僕の育樹祭」は本番より一足早くやって来た。
ヨーシ、次は裏玄関の「雑草むしり」だ。いやいや、「雑草という植物はない」と、昭和天皇はおっしゃっていた。なるほど!!
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