2009/09/10

明日はカゲロウの身か…げに恐ろしきはオンナなり!!

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

村上春樹さんの最新の話題作『1Q84』の主人公たちには〈月が二つ〉に見えるそうだが、〈パラレルワールド〉に生きていない筆者の目にはあくまでも「月は一つ」である。

数日前、『ターニングポイント』(番組)の打合せを兼ねて秩父が浦にある宮本秀利さん(宮本造園社長)のアトリエを訪問。急ごしらえの露天風呂に浸かっていたら、海の向こうの東の空からやや赤みを帯びた満月が昇ってきた。

もちろん「一つ」だ。やがてその月明かりは徐々に白味を増し、あたかも南北を分かつかのように一本の光の道筋が伸びてきた。耳を澄ますと、波静かな入り江の潮騒と合わせて虫の音が響き渡いてくる。

この夏、余り外に出なかったせいか、うだるような暑さの記憶がない。が、いつの間にやら「蝉時雨」は「虫の音」に主役の座を譲ってしまっている。もうすっかり「秋」だ。

一仕事終えて、遅い時間帯に島原城周辺を歩いていると、虫の音が何とも涼やかだ。時折通る車のエンジン音やエアコンの室外機の騒音さえなければ、もっと興趣深いだろうに…。残念がっても仕方がない。これが単一の「リアルワールド」なのだ。

ところで、先週の土曜日、島原出身の草野仁さんが司会を務めているTBSの人気番組『世界ふしぎ発見』の中で、ハンガリーのティサ川で見られる「カゲロウの舞い」を紹介していた。すると、日本でも同じような現象が起きていた、と読売新聞(9日付)。

それによると、異変が生じたのは7日夜のこと。神奈川県の相模川にかかる二つの橋で、カゲロウとみられる白い綿状の虫が大量に発生。その死骸が路上に降り注いだため、交通渋滞やスリップによる物損事故まで引き起こしてしまった、という。

カゲロウがどんな昆虫なのか知識など持ち合わせていないが、画面で見ている限りは、ひ弱なトンボのような感じだった。

しかし、それより何よりショックを受けたのは、脱皮から死ぬまでのオスの寿命が「三時間」しかないこと。その限られた時間の中で、オスたちは必死で子孫を残すための「交尾」(ティサの花)をし、天界へと旅立っていく。

幸いにして我が身はカゲロウではないので、その「虫生」(?)が虚しいのかどうか推し量りようもないが、スズムシの世界でも役目を終えたオスをメスが食い殺すという習性があるそうで…。げに恐ろしきは「オ・ン・ナ」ですぞ、男性諸君!!

そんな馬鹿々々しいことを考えて社内をうろついていたら、我が社のママさん社員が、長崎県が推奨している「がんばらんば音頭」のDVDを借りてきていた。理由を聞くと、婦人会で踊るそうな。

平和なニッポン、長閑なシマバラである。筆者も一つ「虫コナーズ」の踊りでも覚えるか!?