1度で出してもサンド…かさぶさの「ツ」の語源は?
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
ゴルフを習い始めの頃、園田一級建築士事務所の園田修平さんと一緒の組になった。颯爽と手にしていたのは、届いたばかりのフルセット。まだビニールの保護カバーがみっちりと被さっていた。
パッティングの練習を終え、いざ1番ホールへと向かおうとしていたら、カートに同乗していたキャディさんの表情がおかしい。どう言ったらいいのか、何かしら怪訝な雰囲気なのだ。
筆者は教本で見た通りに、クジを引いた後でバッグから真新しいドライバーを取り出した。と、キャディさんが堪りかねたように近づいて来た。「お客さん、やっぱビニールは剥(は)がんばネ」 - 。
無慈悲にも、園田さんらは腹を抱えて笑いこけていた。勿論、根が正直な筆者は素直にキャディさんの指導に従った。そして涙ながらにビニールの皮膜を破いたことを、昨日のことのように覚えている。
当然、今以上に下手糞だったから、バンカー(砂だまり)にもよく打ち込んだ。その際、ふと口ずさんだオヤジギャグが予想以上に受けたことも、まだ記憶に新しい。それは「1度で出しても3度(サンド)」という他愛もないものだったが、世の中にはこれと似たような話もゴマンとあるようで - 。
前置きが長くなってしまったが、先日、森岳地区の保護者会(高校)の人たちと一緒に「夜回り」をした後で懇親会となった。筆者以外は元から地の人が多く、小学生時代(一小)まで遡っての「思い出話」特集となった。
「あん頃ん夏休みはやっぱ何よっか『島原甲子園』(ソフトボール大会)やったばい。よう転んでから『ツ』のできよったとん」「ほんてが。ばってんか、『ツ』て最近な余り聞かんごてなった」 - 。
ひとしきりその話題で盛り上がった後で、「ツ」の語源をめぐる話になった。と、市役所に勤めるI君が「あたんな、調ぶっとが仕事じゃろもん」と、こともあろうに筆者にゲタをあずけてきたのだ。さーて、困った…。
「ツ」が擦り傷などの「かさぶた」であることはもとより承知しているが、はて〃語源〃となると俄かには浮かんでこない。仕事の合間に「ツツツ…」と物知り社員に近付いて訊いてみても、誰も知らない。
ただ、若いスタッフも「ツ」という言葉の意味は皆よく知っている。しかし、いくら悩んでも仕方がないので上司の特権を利用して「それは『痛い』という意味で『痛』(つう)から来ているのだ」と結論を下そうとしたら、鹿児島出身のTちゃんが素晴らしい答えを導き出してくれた。
「専務、日本語では『血』(ち)の次は『つ』に決まっているでしょ」。なるほど、Tちゃんは頭が良い!!「1個でも『ツー』」と言おうとした自分が急速に恥ずかしくなった。
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