「精霊流し」は本物!!…「初市」と並ぶ島原の祭り
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
「島原最大の祭りは何か?」と尋ねられれば、やはり「精霊流し」に尽きるであろう。この点では、「FMしまばら」でパーソナリティを務める「シュンちゃん」こと宮崎春而氏と不思議と意見が一致した。
シュンちゃんは宮崎康平先生の息子さんだから、島原のことを実に良く知っている。もっと言うなら、知らないでよいことまで知っている。本当に!!
そのシュンちゃんに言わせると、民俗学者の宮本常一さんの弟子であった鬼太鼓座創始者の田耕(でん・たがやす)さんも、そして永六輔さんも「同意見だった」そうだ。
根拠は「精霊流し」が江戸時代から連綿と続く確かな「伝統行事」である点。また、その「視覚的な美しさ」は決して他の追随を許さない、と。
ややもすると、シュンちゃんとも縁の深い、さだ・まさしさんがグレープ当時に歌った『精霊流し』の反響が余りにも大きかったため、長崎ばかりが有名になってしまった感があるが、島原のそれは「やはり別格」と胸を張ってみせる。薄い胸板だが…。
ただ、残念なことに、最近は「担ぎ手不足」などの物理的な要因もあって、船の数自体も減少傾向が続いているようだ。こっじゃイカン!!このまま手を拱(こまね)いているようでは、亡くなった郷土の先達に申し訳が立たん!!
シュンちゃんは言う。「15日ん晩は、島原全体が江戸の昔に帰ればよか。街全体の明かりを抑えて、提灯を使う。そして『切子』の灯りも地元産の『和蝋燭』(わろうそく)に限定する。ここまで徹底すれば、昔の賑わいぶりを必ず取り戻せる」。そう力説するのだ。
返す刀で「薪能のように『振興会』を作るべき」とも。「登録制度のような方式を取れば、島原関係者に限らず、全国各地から担ぎ手を集めることも可能。観光客も呼べるし、切子や和蝋燭の地場産業も栄えるので一石二鳥ではないか」。実によどみない。
「私に言わせると、本物の島原の祭りは、夏の『精霊流し』と、春の『初市』に限りますね。だいたい何故、露天商の人達がさして売れもしない初市を目指してくるか知っていますか?それは、伝統という名のブランド力です。つまり、『箔』(はく)が付くんですよ、初市に店を出せば」 - 。
いつもながら感心することだが、シュンちゃんは康平先生譲りの「モノシリ博士」である。本欄で長々と引用したことが実現するかどうか責任は持てないが、和蝋燭の切子の明かりが醸し出す「精霊船」は、いかにも幻想的だとは思いませんか、皆さん?
先般の東北出張で一番感心したことは、地域住民の祭りへの「意気込み」の凄さ。それが観る側の感動を呼び、さらなる誘客へとつながる。要は考え方、取り組み方次第、と思う。
(追伸)なお、ご異論のある方は、シュンちゃんの番組宛お願いします。では、ナマイドー。
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