2009/08/08

山形で大いなるヒント…東京の夕刊紙に「島原特集」

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

2日目の宿泊先は山形市。個人的には、全国47都道府県のうち、これまで唯一訪ねたことがない「県」で、そうした意味でも〃興味津々〃の旅であった。

東京方面まで帰って新幹線を利用するか、はたまたレンタカーで移動するかで迷ったが、相談の結果、後者を選択。約300キロの道程を車に託した。

とは言っても、土地勘はゼロ。恐る恐る「オイが運転しようか?」と提案したが、2人の社員が声を揃えて「ダメです!」。下手糞で助かることもあるんだ、と一人ほくそ笑んだ。

FMながおか社長の指示に従って、まずは高速をそのまま北上。新潟を抜け、終点の村上付近まで進んだ。ただ、そこから先(国道)が異様に長かった。

一口で「山道」と言うが、さすがに「奥の細道」(?)は手強かった。行けども、行けども、「山」また「谷」の連続。高速を下りて2時間近く経ってから、やっとのことで休憩所のコンビニにたどり着いた。

車外に出て、月がとっても美しいことに気づいた。満月に近い、その柔らかな明かりは、我々の心の癒しとなり、最後の踏ん張りに拍車をかけてくれた。

そのうち〃街の灯〃が見え出した。右に曲がれば米沢、左折すれば上山・山形の道路標識を確認できた時には、正直ホッとした。「ありがとう」、そして「ごめんね」…お2人さん。

ホテルはJR山形駅の屋上階にあった。十日町で蕎麦をかき込んだ昼食からすでに10時間以上が経過しており、さすがに3人とも腹も空かせていた。

そそくさとチェックインを済ませ、駅前の「郷土料理店」(居酒屋)へ飛び込んだ。敢えて島原弁で注文を試みたが、案外と通じることに意を強くして「だだちゃ」(枝豆)や、「ほや」(貝)などを、大変に美味しくいただいた。

自分としては、まだまだ飲み足りなかったので、「もう一軒、東北美人の居る店に」と誘ってみたが、車の運転同様に「駄目です!」と即座に却下。

その時は「無粋な野郎どもめ」と思ったが、翌朝目覚めてみて、彼らの選択が正しかったことを痛感。おかげで澄みきった頭で現地CATV局幹部との意見交換ができた。

中身については〃企業秘密〃。ただ、今後の事業展開に大いなる〃暗示〃を頂戴できたことだけは確か。帰り際になって「今日は『花笠まつり』ですよ。もう1泊されたら」と引き止められたが、意を決して予約の新幹線に飛び乗った。

すべての旅程を終え羽田に着いたのは午後5時半過ぎ。出発待ちの間に、島原ではまず見ることのない夕刊紙を買ってロビーで読んでいたら、何と「島原湧水」と「かんざらし」(中屋)が紹介されていた。

「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」。次回は芭蕉のようにゆっくり回りたい奥州路であった。

‐おわり‐