2.7キロの大ナイアガラ…長岡の花火は〃日本一〃
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
既報の通り、2泊3日の日程で新潟、山形を視察で巡ってきた。社員2名を同行したので、少なからぬ旅費を投じたことにもなるが、それ相応の〃成果〃は掴んできたつもりだ。
最初に訪れたのは新潟県長岡市。「災害つながり」と言っては変だが、これまでも現地のコミュニティFM局とは頻繁に技術的な交流も重ねているので、不思議と〃他人〃という気がしない。
今回は〃日本一〃と称される「長岡まつり」(花火大会)の賑わいぶりを、じっくりと拝見させていただいた。一言で〃印象〃を述べるなら、これはもう明らかに〃桁違い〃である。
終戦間際の「長岡空襲」からの〃復興〃を祈念して始まったとされる同大会。さして〃軍需産業〃などなかった一地方都市のはずなのに、なぜ空襲を受けたのか…?
答えはいとも簡単。真珠湾攻撃を指揮した山本五十六元帥の生誕地だから。そんな単純な理由で、一千何百人もの無辜(むこ)の民が犠牲になっていることを想えば、戦争とはいかに愚かしく、また恐ろしい行為であることか…。
3日夜。平日(月曜)だと言うのに、信濃川河川敷に集まった観客の数は40~50万人。雷雨にたたられた前夜もほぼ同数を集めたというから、まずはその〃動員力〃の凄さにあきれ返る。
夜の帳(とばり)が落ち始める午後7時過ぎ。FM放送と連動して秘かな〃恋心〃などを託す「メッセージ花火」からスタート。空中を舞っているのは〃中洲〃に巣を作っている蝙蝠(こうもり)だと聞いてビックリ。
そう言えば、東京に向かう飛行機の中に蝙蝠マークですっかり全国区になった福砂屋(長崎)の殿村社長が乗っておられたよなぁ…などと他愛もないことを考えているうちに、いよいよ〃本番〃。
隣の桟敷に陣取ったいなせな男性が「どこから来た?」と訊いてきたので「長崎県の島原です」と答えた。すると「おー、そうか。天草に市長をしているJC時代の親友がいる」と言うので、「安田公寛さんでしょう」と応じたら、異常なまでに喜んでくれた。
それから先は2時間強にわたって「これでもか!」と言わんばかりに、息をもつかせぬ「スターマイン」や「ナイアガラ」の連発攻勢。その数、2万発とか。
頃合いを見計らったかのように「正三尺玉」が何度か打ち上がる。沸きあがるどよめき。何より感心したのは〃地の利〃を活かした舞台設定。「ナイアガラ」の幅だけでも延々2.7kmも続くのだ。
その名に決して恥じない、日本一の花火の祭典。それを支えているのは文字通りの〃市民力〃。「たとえ業績が悪くても、スポンサーを降りる地場企業はほとんどありません」と、現地のFM局社長。その顔はいかにも誇らしげであった。
- つづく -
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