赤とんぼの炒め物?…「観察眼」を磨きましょうね!!
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
原稿を書いていて「イカンナー」と落ち込むことが時々ある。さしずめ、今日の心境などがその類いだ。昨日あれほど「勘違い」の悪癖を悔いておきながら、また同じ「過ち」を犯してしまっている。本当に、私はバカだ。
文章を書く過程において、「重複した表現を使わない」ということは、基本中の「基本」、イロハの「イ」である。それなのに昨報では、「これなどは」 - という書き出しを、後半部で三度も使ってしまった。
脱稿後にきちんと見直しをすれば良かったものを、次の行事が迫っていたものだから、つい慌てて見逃してしまった。「これなどは」 - まったくもって学習効果を発揮できていない「バカの証左」である。嗚呼、また使ってしまった。
今日は朝から何となく憂うつだ。気分が冴えない。鳥の鳴き声も、蝉時雨のシャワーも、どことなくヨソヨソシク聞こえてしまう。
ゲンナオシに、近くの音無川沿いを散歩していると、眼下で赤とんぼが乱舞している。「そうか、もう秋なんだ」と、幾分センチな気分でその様子を眺めていたら、赤とんぼの翅(はね)がキラリと光った。
そう言えば、一月ほど前に『ターニングポイント』に出演してもらった崇城大学教授の村上光太郎先生が仰っていた。「風邪のひき始めには、赤とんぼの炒め物が良く効く」と。
自ら「実証主義者」と称して、トリカブトの溶液まで体内に入れてしまうようなご仁の言葉だけに、嘘ではないと思うが、何となく可哀そうな気もする。
〈赤とんぼの羽根を取ったら油虫〉 - 。昔、「あのねのね」という男性デュオが唄っていたナンセンスソングの一節だが、よくよく見ると、赤とんぼの胴体は決して赤ではない。
種類にもよるのだろうが、水無川の上空を飛び交っている連中のそれは、やや黄色味がかっている。それでは何故「赤とんぼ」と呼ぶのだろう?
答えは翅の部分にあった。太陽の光を受けてキラリと光るその色は、やや赤みを帯びた黄金色に見えるのだ。本当に!!「そうか、赤とんぼの語源は翅にあったか!!」 - 。
自身が大した経営者でも、また人格者でもないことはもとより自認しているが、役目柄、社員諸氏に対して時おり訓示のようなものを垂れる。その一つが「観察眼」の大切さだ。
これまた昨日の続きではないが、「君たち、ボーっとしていたら、折角のビジネスチャンスも見逃してしまうよ」などと。果たして、聞く側はこちらの意図をどれほど理解してくれているのだろうか…。
夏の疲れなのか、高血圧のせいなのか、何となく首筋に「違和感」が残る。間の悪いことに、これから嫌な交渉相手がやって来る。羽根があったら、飛んで逃げたい心境なのである。
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