俳句で観察眼を磨く…まずは写真俳句で腕試し
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐
何でも食いつきたがりの飽き性で、どれ一つもモノにできないまま齢50の峠を超えた。しかし、「三つ子の魂百まで」。最近は急速に「俳句の世界」に傾いている。観察眼を養うという大義名分も立つし…。
といった次第で、小学館の『サライ』(10月号)を衝動買いしたのだが、例によって、まだ〃飛ばし読み〃の段階である。ただ、「ひょっとして自分に合っているのでは…」という気がしないでもない。
俳聖・松尾芭蕉が『奥の細道』(150日間・2400キロ)の紀行に旅立ったのは、元禄2年(1689)というから、今からちょうど320年前。時に芭蕉46歳。今の寿命で言うと、筆者ぐらい…。いや、もうちょっと上か。
単純にその踏破距離を割り算してみると、一日当たり16キロ(約4里)。特段驚くべきハイペースではないにしても、数々の秀句を捻り出しながらの旅。やはり〃怪物〃である。
サライ誌では、筆者のような素人向けに、金子兜太(とうた)、小沢昭一、佐藤文香(あやか)三氏の「鼎談」(ていだん)を組んでいる。それぞれに春、夏、秋、冬を詠んだ作品が掲載されているが、趣向的には筆者の目指すべきは〃小沢流〃だろうか。
その小沢さんの俳号は「変哲」で、春の句として「まだ尻を目で追う老いや荷風の忌」を紹介しているが、何だか微笑ましくてつい笑ってしまった。そう、ここには〃助平〃の領域を超えた〃人生哲学〃がある、と強調したい。
さらに飛ばし読みしていくと、小沢さんが「芭蕉より好き」という小林一茶のかの有名な句が取り上げられている。「やれうつな蝿が手をすり足をする」という、例のやつだ。
ここ数日、筆者にまとわりついて離れないハエの習性を観ていると、一茶の〃観察眼〃がいかに凄いか、がよく分かる。本当にその表現通りなので、ビックリするほどだ。
筆者も最近、ムシの動きを注視するようになった。一例を挙げよう。事務所前の柵に、一匹の大ぶりなカマキリがいた。
その一挙手&一投足をじっと眺めていて、ある〃事実〃を発見した。カマキリは実にリズミカルに歩を進めるのだ。巧く言い表せないが、「オイチ、ニッ」といった感じで、とにかくユニーク!!
それから、作家の森村誠一さんが試みている「写真で俳句」も気になった。と言うより、これなら自分でも出来るのではないか、と思った次第。
最後に若くして亡くなった昭和晩年の大女優、夏目雅子さん(俳号・海童)の一句を紹介して、拙稿を結ぶ。「野蒜摘む老婆の爪のひび割れて」 - 。
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(追伸)3日午前11時からと午後6時からの2回、島原城では、野蒜や葛入りの「薬草粥」が無料でふるまわれます。皆様、お出かけ下さい!!
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