万事成功、植樹祭!!…ミシミシと抜かれし奥歯…
‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守る‐
「植樹祭」の余韻も冷めやらぬまま、皇太子様より一足早く上京している。あいにく空は荒れ模様。銀座の柳もネオンも小糠雨で煙っている。
それにしても、「ご来島2日間」の天気の素晴らしかったこと!荒天の最中に開催されながらも、「両陛下のご臨席」を境に俄かに晴れわたったという、昨年の慶応義塾創立百五十周年記念式典でのエピソードを思い出した。
まあ、たまの偶然ではあろうが、やはり式典には晴れの日が良く似合う。そうした意味では、当地での植樹祭は大いに恵まれてもいたし、殿下が「ジオパーク」にまで言及されたことは、地元住民としては望外の悦びでもある。
話は変わるが、左の奥歯を抜いた。と言うより、症状が進んでしまって、専門の大学の先生から強制的に抜かれてしまった。つまりは「歯無し」だと洒落ている場合ではないが、その痕跡を舌でたどりながら、まだ何となく〃違和感〃を覚えている。
自慢ではないが、歯は丈夫な方だった。若気の至りで、ビールの栓抜き代わりに使ったことも一度や二度ではない。本当は随分と無理をしているのに、婦女子の「スゴイ!」の声にまんまと乗せられた結果が今日の悲劇である。
手術(?)は、簡単な麻酔注射の後に行われた。別段、痛くもなんともなかったが、「ミシミシ…」という抜去音が耳に響いてきた。まるでペンチ一本で、この肥満体が持ち上げられるかのような〃錯覚〃に陥ったほどだ。
先生はさっきまでわが肉体の一部だった象牙色の歯根を指し示し、「この部分が問題でした」と冷静に解説。麻酔で思うに任せない言語感覚で、「ふぁーい」と答えるのがやっとだった。
血がとどめなく出た。痛み止めのクスリと一緒にガーゼを何枚か処方してもらい、患部に当てて急場をしのだ。折りしも、その日は「薬草粥の日」(島原城)だったが、「熱いもモノは駄目ですよ!」の教えに従い、生唾を飲み込んで我慢した。
たかだか奥歯一本で、これほどまでに〃味覚〃を左右するとは、思いもよらなかった。正直、驚きである。以前に「芸能人は歯が命」という歯磨きのテレビCMが流行ったこともあるが、何もそれは「芸能人」に限った話ではない、と実感した次第。
ところで、その晩は「中秋の名月」。筆者も奥歯を押さえながら、宮本秀利さん心づくしの「宴」(酒抜き)に臨んだ。柔らかな月明かり、たゆたう島影、波音…。そうした状況の中に身を置くことで、ふと我を取り戻す貴重な時間をいただいた気がする。有難う、宮本さん!「本物の植樹祭」も、「僕の植樹祭」も無事に完了しました。
最後に関係ないけど一句。「ミシミシと 抜かれし奥歯 おいの秋」(※「おい」は掛詞のつもりです)。
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