2009/11/13

泣きたかった〃独り飯〃…誰かワサビの栽培やって!!

‐株式会社ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

〈ひとり酒場で 飲む酒は 別れ涙の 味がする 飲んで棄てたい 面影が 飲めばグラスに また浮かぶ♪〉…。

ご存知!美空ひばりの代表的なヒット曲『悲しい酒』の一節。グループサウンズ旋風が吹きまくっていた昭和41年当時、本格派演歌として登場した、心に染み入る〃名曲〃だ。

11日から宮崎市内のシーガイヤで開かれた、CATV連盟九州支部主催の「トップセミナー」に一泊二日の予定で参加したのだが、帰りの船に乗り遅れて熊本市内で〃一夜〃を過ごすことに。

高速を運転しながら、急きょ幼なじみのホテルマンに連絡を入れて、部屋を取ってもらった。やはりいつの時代も、持つべきものはトモダチである。

前日は百名を超えるパーティでとても賑やかな夕餉(ゆうげ)であったが、今度はそうはいかない。独りトボトボと繁華街を目指して歩を進め、とある地下の居酒屋のカウンター席に陣取った。

いくつか空席を挟んで、中央付近には下腹の突き出た初老のオヤジ。眼鏡をかけた赤ら顔だ。じっと様子を窺っていると、やたらと何やかや注文しては、コップ酒をあおっている。

こちらも負けじ!と生ビールから始まって、日本酒、焼酎とグラスを空けた。「どうしよう?脇に移って何か語りかけようか…」とも思ったが、そのうちにオヤジは消えた。

さーて、困った!周囲を見渡せば、カップルや団体客ばかり。これから、この〃長い夜〃をどう過ごせばいいのだ、と悩み始めた時に、冒頭の歌詞が浮かんできた。

断っておくが、筆者は〃色恋〃なんかに悩んではいない!ただ、異郷の地で、話す相手も居ないで夕食を摂ること、その行為そのものに得も言われぬ〃寂しさ〃を味わったのである。

その思いは酒のピッチを上回るペースで襲ってきた。何だか悲しくて&悲しくて仕方がないのだ。しかし〃人目〃もあるので、泣くわけにもいかない。

耐える代わりに、ひたすら〃注文すること〃に精出した。刺身や〆サバを一通り平らげ、寄せ豆腐、地鶏焼等に箸を伸ばし、最後はダシ巻きと角煮チャーハンで締めくくった。

美味かった!大将の坊主頭の兄ちゃんも感じが良くて大満足だったが、少しだけ足りないものを感じた。ワサビだ!これだけ包丁が立つのに、ワサビが他所と余り変わり映えがしないのだ。

勿体ない…。ここは熊本だからまだいい。島原でもこれだけ美味い魚介類が獲れるのだから、もっとワサビに凝ればいいのに…などと他愛もないことを考えながら無聊(ぶりょう)を慰めていたのでした。

どう、誰かワサビの栽培やりませんか?それから、なるべく晩ご飯は家族と一緒に食べましょうね!?