勝つのは官軍ですか?…蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の争いでは困る
その心意気やよし!と賞賛していいのかどうか計りかねるが、1日に告示された民主党代表選挙における菅首相派の存在意義は、明治維新後の西南戦争における「官軍」なんだ、とか。
つまりは、「菅」と「官」とをもじった言葉遊びのようなものだろうが、仇敵の小沢陣営にとっては「逆賊」のレッテルを貼られたのと同じで、面白いはずもあるまい。
が、物は考え様で、そうなると小沢前幹事長はいまだに国民的人気の高い西郷隆盛公に擬せられているわけだから、政治生命を賭けた今回の「乾坤一擲」の勝負に、より凄みを増すことにもなる。
一昨日から昨夜にかけて、幾度となく繰り返された両者による出馬会見のテレビ等を観ていて、「おやっ?」と、奇異に感じられた方も多かったのでは。
交渉決裂後の小沢さんの話は車の中で聞いていたが、結論がなかなか出てこずにイライラした。この辺りが師匠筋の「角さん」との決定的な違いか。
一方、昨夜の菅さんの話には苦笑してしまった。だって、官僚の言いなりになって政治の指導力を発揮できないでいる現状を突かれている立場なのに、「悪いのは財務省であります!」なんて開き直られてもねー。
さらに笑ったのは、小沢さんの首相としての資質を問い掛けた質問。「(本会議を度々欠席する小沢さんは)予算委員会等で長時間座っていられるだろうか?想像できない」云々。
これには小沢さんも、内心はともかくとして、笑って応じるしかなかったのだろうが、いくら何でも「答弁に答えていた」という表現はないでしょう。「火事が燃えている」と言っているようなものですよ!
いずれにしても、投票日まではまだ10日以上も残されているので、これから議論が深まっていくことを期待して、「国民の生活が第一」という党是だけは何としても遵守・実践してもらわないと!
関連して言えば、1日付の朝日新聞でコラムニスト(CMプランナー)の天野祐吉さんがこう嘆いていた。「国民の生活が第一」なんて言っていたのは、どこのだれだっけ、てね。
菅さんに関しては「市民運動を踏み台にしてのし上がっていったマキャベリスト」といった、かつての仲間内の批判もあるし、小沢さんにしても「剛腕」のイメージの裏で常に「金権」の悪評も付きまとう。
飛び火するようだが、対する自民党の動きも、まあ情けない。代表選後の分裂騒ぎを見越してか、はたまた恐れてか、一向に野党第一党の存在感を示せないでいるではないか!
今回の代表選を見ていてつくづく感じるのは、マスコミは大騒ぎしているが、ひょっとして永田町という「狭いコップの中の嵐」なのかも…。とにもかくにも「蝸牛角上の争い」で終わらぬことを切に願う。
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