福澤諭吉56歳の貌(かお)…よく見て!一万円札の画像
皆様お手持ちの一万円札に刷り込んである肖像画は、慶應義塾の創始者として広く知られる福澤諭吉先生のものである。では、何歳当時のものか?
答えは1891年(明治24年)、56歳のころだそうだ。知ったかぶりした言い方で恐縮だが、齊藤孝さん(明治大学文学部教授)が編んだNHKテレビテキスト『100分de名著』の7月号(学問のすゝめ)にそう書いてある。
その齊藤教授の講演会が島原商工会議所青年部の創立30周年記念イベントとして11日午後6時から、島原復興サブアリーナで開かれる。入場は無料だが、整理券を発行しているので、詳しくは同会議所(☎62-2101)まで。
演題は「人間関係を作るコミュニケーション力」で、「生きる力を育てる学力(まなぶちから)」との副題が付けられている。齊藤教授に関しては、『声に出して読みたい日本語』以来のファンなので何とか聴講したいのだが、当日は色々と行事が重なっていて、ウーン?
閑話休題―。筆者がここで言いたいのは、商工青年部の活動内容の紹介でもなければ、齊藤教授の経歴云々でもない。要するに、「50代半ば」(アラウンド・ヒフティー)の貌(かお)の話である。
お手元の福澤翁をよく見つめていただきたい。もしお持ちでなかったら、ちょっとだけ周りの人に拝借してでも。どうです、とても今時の56歳とは思えないほど「貫録十分」だとは思いませんか?
やはり、自分の「志」に沿って、難事をものともせずに真剣に生き抜いてきた人の表情には、得も言えない「迫力」というか「凄み」が漂っていますよね。
ところで、新首相の野田佳彦さんは54歳。暴力団との繋がりが明るみに出て、突然、芸能界を去ったタレントの島田紳助さんは55歳。
いずれも「その道」で名をなした現代のお二方だが、「風格」という点においては、まだまだ福澤翁の足元にも及ばない。まあ、比べること自体が極めてナンセンスであるが…。
それにしても、だ。洋の東西、古今当代を問わず、人間と言うのは不思議な生き物で、「人となり」は必ず、その人物の「顔付き」に滲み出てくるものである。
もっと直截(ちょくさい)な言い方をすれば、いくら金を持っていようが、その人の「心根」が貧しければ、それと比例して「風貌」は貧相なものとなる。
題名もそのものズバリの『風貌』という写真集(小学館)を、写真家の土門拳さんが遺している。筆者も折に触れて頁をめくっているが、やはり一家をなした人は例外なく「素晴らしい貌」をされている。
私事だが、筆者も一万円札の福沢翁と今月「同い年」になる。少しは自分の「貌」にも責任を持たねばと思うが、生き方そのものが「ドブ男」で「チャラ男」では手の施しようもないか…。
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