2011/08/27

山頭火の心境でした…思わずはまった〃水のワナ〃

今週は何かと行事が重なり、ついつい本欄もおざなりな対応となってしまった。ただ、そうこうしているうちに、季節はすっかり本格的な秋景色へと鞍替えしてしまったようだ。

そうした中、今年もまた島原外港一帯では、「がまだす花火大会」が盛大に開催された(25日夜)。いつになく心配された天候も何とか持ちこたえ、絢爛豪華な6千発の花火が、どこからともなく集まった多くの見物客の胸を焦がした。

当代を代表する天才編集者の一人、松岡正剛さんが週刊ポスト誌の9月2日号の巻末に、『名残』(なごり)というタイトルで一文を寄せている――。

〈夏の日本は花火の夏だ。こんなに浴衣が似合う夜はなく、こんなに日本の夜空が鮮やかに彩られることもない。打ち上げが連発してくると、思わず胸の内なるものが起爆するようでたまらない〉

〃天才〃はこの序章を前ふりに、鉄砲鍛冶に始まる近代日本の花火の歴史をひも解き、次なる時代を築いていった、先端技術への革新を意味する「テクノトランスファー」というキーワードを導き出している。

そこまで深く思いを馳せながら花火大会を楽しんだ観客など恐らく皆無だろうが、一方でまた、筆者ほど〃惨めな思い〃をした人間もまずおるまい。

会場付近には多くの露店が軒を並べ、浴衣や甚平姿の家族連れやカップルなどでごった返すほど賑わっていた。〃悲劇〃はその最中に突如、生まれてしまったのだ。トホホ…。

話は相前後するが、仕事上のカボチャテレビ&FMしまばらによる現場からの〃中継〃と並んで、個人的には新湊1丁目のSさん宅での〃大宴会〃に呼ばれることが、毎年の恒例行事となっている。

時間帯で言えば9時前後であろうか…。心温まる歓待にすっかり気を良くした筆者は、中継スタッフを激励すべく、一路現場へと向かっていた。

すると、どうしたことだろう。これほど混み合っているのに、誰も陣取っていない〃空きスペース〃があるではないか?薄々「おかしい…」とは感じていたが、ほろ酔い気分も手伝って「エイヤー」とばかりに飛び降りた。

瞬間!目の前が真っ暗になった。最初は何のことか判らなかったが、要するにそこは〃水路〃だったのである。気付いた時には全身びしょ濡れ。周りのネーちゃん連中には花火以上に大受けで、水に浮いたスリッパ探しにご協力をいただいた次第。

さて、その先が大変。取りあえずSさん宅に戻って水浴びしようと庭木用のホースを手にしていたら、不憫に思った奥様が全身の着換えを用意して下さった上に、お風呂のシャワーまで使わせていただいた。

〈しぐるるや ひとのなさけに なみだぐむ〉―。まさに、山頭火の心境とはこのことか!と一人ごちた。