2011/08/03

男の顔は履歴書…ヤブ蚊はデブが好き!?

滅多に鏡を見ることなどないが、改めてしげしげと見つめ直してみると、くたびれ果てた50男がそこにいる。無理もない、四捨五入すればもう60だ。

一体、自分はこの年齢まで何をしてきたのだろう…?鏡に写った小汚い顔を見ながら、タメ息をつく。

「男の顔は履歴書、女の顔は請求書だ」と言ったのは、関西在住の小説家、藤本義一さんだが、誇るべき履歴など何もない。かと言って、「領収書」を切ろうにも、まだ人生の精算が終わっていないし…。

数日前から、鼻と右頬っぺたの境界あたりにニキビの親方のような赤い吹き出物ができて、余計に醜さを増している。おまけに鼻の穴が痛痒い。

原因は鼻毛を抜いた跡にバイ菌が付着したものとばかり思っていたが、知り合いの薬剤師に処方箋を見せたら、「あー、まだ副鼻腔炎が完治していなかったんですね」と、3週間分の薬をドサッとくれた。

まあ、そんなこんなで何とも憂うつな日々を過ごしている。ただ、血圧だけは主治医も驚くほど正常な値を示しているが、いつもは夏やせするのに、今年はどこにもそんな兆候は窺えない。

一番困っているのは腹回り。この前も「ジャストサイズ」と思って、格安チノパンの3本セットを通販で取り寄せたまでは良かったが、いざ穿いてみると、留めボタンがはちきれんばかりだ。

「これじゃいかん!」と思って、慌てて漢方のやせ薬を飲んでいるのだが、やたらと屁が出るばかりで、どうやら期待薄に終わってしまいそうな気配だ。

気分転換にショッピングでもしようと、時計を買いに出かけた。高度計が付いている真っ赤なベルトのデジタル時計。自慢げに母と家人に見せたら、まるで風呂場のロッカーキーみたいだ、と一笑に付された。

ということで、目下の楽しみは朝夕の水撒きくらい。最初のうちは木や花の根本に向けて、「ともに夏場を乗り切ろうぜ!」と願いを込めてジワジワと。

その作業が一通り終わったら、次は太陽に向けてストレート噴射。そこから徐々に強弱を調整していくと、虹が生まれてくる。最大の楽しみは、その虹の観賞だ。

傍目には初老のバカ親父の悪ふざけのように見えるだろうが、これが結構運動になる。ホースの巻き取りまで合わせて1時間も続けていれば、たっぷりと汗をかく。

恐らく、これが血圧の安定剤のような効用をもたらしているのだろうが、何より「打ち水」は気持ちがいい。ただ、閉口するのはヤブ蚊に咬まれること。

大概、気付かない間に4~5か所は咬まれている。母に尋ねると、肥っている人間は蚊の好物なのよ、と脈絡のないことを言う。せめて顔だけは守りたい、と思うが、もうどうでもいい蚊!?