2011/08/02

8月1日は「水の日」…八大龍王は水や雨の神様

最近のカーナビ機能は大したもので、朝一番にエンジンをかけると、乞うまでもなく「今日は何の日か?」を教えてくれる。ちなみに、8月1日は「観光の日」だ、という。

ところが、手持ちの本で調べてみたが、そんな記述はどこにもない。ならば!とネットで挑んでみたら、一昨年6月をもって廃止されていた。どことは言わないまでも、メーカーの〃いい加減さ〃が期せずして判った次第。

成り行きついでに、8月1日が「何の日か」を調べてみたら、あるわ、あるわ…。まずは語呂合わせで「肺の日」。日本呼吸器学会が制定。

ついで「麻雀の日」(牌(ぱい)から)、「パインの日」、「島の日」(ハッピー・アイランド)などがあって、珍しいところでは、「バイキングの日」というのもある。

少し脱線するが、日本で最初に食べ放題の「バイキング料理」を打ち出したのは、かの帝国ホテル。北欧のサービスをモデルに、1985年のこの日から始めたのだそうだ。

と、ここまでかなりの〃行数〃を稼いできたが、8月1日は、何と言っても「水の日」である。8月が年間を通して一番水を大量に使う月であることから、国土庁(現国土交通省)が〃節水〃を呼び掛けるために制定した、とのこと。

さて、今さら言うまでもなく、島原湧水群は環境省が定めた「名水百選」の1つである。ふだん我々は特段意識することもなく贅沢な水使いをしているが、これはもうそれだけで〃貴重な財産〃であることを忘れてはなるまい!

1日付けの『天声人語』(朝日)では、「ライバル」(競争相手)の語源がラテン語の「小川(rivus)から来ていることを紹介しているが、その後段の部分で面白い記述を見つけた。

今から800年も前に、時の鎌倉幕府将軍、源実朝が詠んだ和歌に出てくる「八(はち)大龍(だいりゅう)王(おう)」という神様のことだ。そのまま引くと、こういう作品だ―〈時により過ぐれば民のなげきなり八大龍王雨やめたまえ〉

なぜ、筆者の目に留まったのかと言うと、以前、何の気はなしに八幡町と坂下町境の路地裏を歩いているうちに、小高い丘の上でその「石碑」に巡り合ったことがあるからだ。

その時、すぐ調べれば良かったのだが、生来の怠け癖から、何をお祀りしてあるのか分からないまま今日までやり過ごしてきた。『天声人語』によると、八大龍王は水や雨をつかさどる神様のこと。

記憶に間違いがないかどうか、自転車を漕いで現地まで足を運び、きちんと写真も撮ってきた。石碑の一段上には祠(ほこら)が建っていて、内部にはお供え物もしてあった。

一体どのような経緯(いきさつ)から八大龍王様が祀(まつ)られているのか、興味も湧いてきた。奉納してあった幟(のぼり)の主のもとを一度訪ねてみよう、と思う。