2011/07/13

さだ作品は〃視覚的〃…進め!なでしこジャパン

サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」の〃快進撃〃が続いているようで、誠にもって喜ばしい限りだ。

名前の由来が楚々たる振る舞いで世(界)に知られる「大和(やまと)撫子(なでしこ)」から来ていることは明らかだが、その果敢な戦いぶりは、まるで一番手柄を目指す「戦国武将」のようでもある。

中心選手は何と言っても、主将の澤穂希(さわ・ほまれ)だろう。褐色の長髪を無造作にくくった姿はどう見ても大和撫子のイメージとはほど遠いが、笑うと文句なく可愛い。

「この人、誰かに似ている!」というのは筆者の悪い癖(?)だが、澤選手の場合は『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)に出ている「かずちゃん」(名前は知らない)にそっくりだ。

悪乗りついでに言うと、世界陸上・やり投げ代表の村上幸史選手の表情や語り口は、現役当時の横綱貴乃花と瓜二つ?また、松本崇大村市長と古川康佐賀県知事もよく似てらっしゃる、と思いませんか?

いかん、いかん、また〃脱線〃してしまった。再び「なでしこ」バージョンに話を戻すと、いささかなりとも「園芸」に興味をお持ちの方なら、その花が清楚で可憐な趣きであることはご存知であろう。

さだまさしさんは唄う。〈撫子の花が咲きました 芙蓉の花は枯れたけど  あなたがとても無口になった秋に こわくて私 聞けませんでした あなたの指の白い包帯…♪〉

冒頭の歌詞とメロディーラインだけはうろ覚えで知っていたが、題名(『追伸』)は初めて知ったような気がする。

ネットで調べてみて思わず笑ってしまったのは「指」を「腕」に勘違いしていたこと。筆者の覚え通りなら、どうにも〃詩情〃が萎んでしまう。

この作品もそうだが、さださんの「詞」にはいつも唸らされる。上手い!筆者ごときが論評すべきではないが、何故ああも繊細極まる〃女心〃を読み解くことができるのだろうか?

最初に聴いて感動したのは、初期大ヒット曲『精霊流し』の中盤以降の部分。〈いつの間にさびついた(ギターの)糸で くすり指を切りました あなたの愛した母さんの 今夜の着物は浅黄色…♪〉

なっ、なんという観察眼、描写力!今でもその思いは変わらない。一言でいって、さださんの作品は小憎らしいまでに〃視覚〃に訴えてくる。

したがって、劇化しやすいということで、先日はフジテレビ系で『案山子(かかし)』をモチーフにした『故郷~娘の旅立ち~』というスペシャルドラマが放映された。

主演の堀北真希もオヤジ役の松平健もぜ~んぶ良かった。ところで、我が家の〃案山子〃のようなボンクラ息子からこのところ連絡がない。

〈手紙が無理なら 電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい♪〉のに…。