2011/07/21

なぜ人々は感動したか…浮かれ過ぎのテレビメディア

昨日から今日にかけて様々なニュースがテンコ盛りの状態で並んでいる。一体どれから手を着けたらいいのか迷ってしまうが、何と言ってもその筆頭格は誰も予想だにしなかった「なでしこジャパン世界一!!」であろう。

ただし、だ。「号外」に続いて「特集記事」を組んでいる新聞はさて置くとして、テレビメディアの度を越したあのハシャギぶりは一体何だ?

昨夜(19日)は9時過ぎから立て続けにニュース番組を視ていたが、NHK(ニュースウオッチ9)に続いて、テレ朝(報道ステーション)、日テレ(ZERO)と来て、締めはフジテレビ(ニュースJAPAN)だった。

いずれの番組にも、快挙を成し遂げた選手や監督らが出演して〃舞台裏〃の話などで盛り上がっていたが、交わされる会話の内容は〃冗談〃も含めてほぼ同一。

まあ、それだけ国を挙げて〃歓喜の渦〃に巻き込まれている証左であろうが、一夜明けてNHK朝の『おはよう日本』にまで借り出されている選手たちの姿を視た時には、さすがに気の毒になった。

背景にサッカー協会からの思惑に満ち満ちた指示があったのか、或いは選手たちが自発的に出演を申し込んだのかどうか知らないが、「少しは休ませてあげたら…」と感じた国民も多かったのでは?

なぜこうまで「なでしこ」の戦いぶりは世界中のサッカーファンを熱狂させたのか?勝手な分析ながら、それは一言でいって「アマチュアイズム」に他ならない、と思う。

より分かりやすく例えるなら、夏の甲子園大会(高校野球)のようなものである。個々人の身体能力は劣っていたにしても、気力とチームワークで勝ち取った栄冠!人々はその「ひたむきさ」にたまらなくシビレルのである。

まだ「結果」を知ることなく書かれた朝日新聞社の週刊誌『アエラ』(7月25日号)の記事によれば、キャプテンの澤穂希選手でさえ年収は約300万円。

もちろん「世界一」になったことで、特別ボーナスも進呈されるであろうし、マスコミに露出することで給与もギャラも大幅に積み増しされるであろう。

「信賞必罰」が世の習いであるから、それはそれで素晴らしいことには違いないが、どうにも選手たちの〃今後〃が心配だ。何せマスコミほど勝手気儘な連中はいないのだから。

良い時にはさんざん持ち上げておきながら、いざ結果が出なくなったら、試合とは何の関係もない「私生活面」も含めて手の平を返してくる。それがマスコミだ。

ゆめゆめ〃油断〃めされるな、「なでしこ」の姫君たちよ。それから、一部男子サッカーのOBのように〃電波芸者〃にだけは成り下がらないで!お願い!!