人を呪わば穴二つ!?…総理も筆者も「泥」が売り
先の花火大会での転落事故以来、「ドブ男」の呼称が定着してしまったか?先日も商工会議所事務局から「その後調子はどうだい、ドブ男君?」という冷やかしの電話がかかってきたくらいだ。
もっとも、母や家人などからは「『ド』は『デ』に換えた方がよかっじゃ?」といった、さらに辛辣なご指摘もいただいており、外見&内心ともどもに腹ふくるる思いでいる。
ただ、いずれにしても〃事実〃であるから容認しないわけにはいかないのだが、少しだけ〃反論〃の機会をいただくとするなら、筆者ほど今日のトレンド(潮流)に乗っかった人間はいないのではないか…。
少し前には、フジテレビの日曜ドラマ『マルモ(・・・)のおきて』が大ブレークしたし、大方の当初の予想を裏切って総理の椅子を射止めた野田佳彦氏は、「ドブ男」の親戚の「泥臭いドジョウである」と自らをなぞらえておいでだ。
しかし、それより何より、石川県かほく市の海岸で起きた若夫婦(ともに23歳)の「落とし穴転落死事件」にはビックリした。筆者の事故よりわずか2日後(27日)の出来事であったから、余計に背筋が凍りついた次第だ。
事件の概要についてはすでに報道されているように、誕生日を迎えた夫を驚かそうと、妻が友人とともに仕組んだ「イタズラ企画」だったが、何をどう間違ったか、取り返しのつかない〃悲劇〃に転じてしまった。
「人を呪わば穴二つ」という古い諺があるが、この場合は、軽い気持ちで掘った一つの穴が、夫婦ともに葬られる「墓穴」となってしまったわけだ。何とも慰め用の言葉もなく、心よりご冥福を祈るのみだ。
「訃報」の話ばかりが続いて恐縮だが、俳優の竹脇無我さんが先月21日、67歳で亡くなったニュースもショックだった。
NHKの看板アナウンサーだった父を持つ竹脇さんは、クールな二枚目として売り出し、向田邦子さん脚本の『だいこんの花』(テレ朝)で見せた森繁久弥さんとの親子コンビで見せた演技は絶妙であった。
向田さんが飛行機事故(台湾・遠東航空)で亡くなったのは、1981年の8月22日。奇しくも、竹脇さんの死の翌日が満30年目の命日であった。
そうした中でこんな不謹慎な事を書けば、皆さんきっと不快に思われるだろうが、実は筆者は若い頃、「竹脇無我によく似ている」と言われていた。「そりゃ、目が2つあって、真中が鼻で、眉毛2本に、口1つ」などといった話でなく、本当にそういう評価だった。
自分自身で調子こいて当時酒場などで名乗っていた芸名は「竹脇無知」。今にして思えば恥しい限りだが、大好きだった向田さん、森繁さんに続いて竹脇さんまでも…。本当に世の中って〃無常〃である。
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