隆平先生も思わず唸る…本物のプロに出会えた歓び
11日開催した「第44回親和銀行杯・カボチャテレビ杯合同囲碁選手権大会」(島原半島囲碁まつり)は過去最高の110人の参加者で大いに賑わった。
最大の理由は特別ゲストにプロ棋士の知念かおり四段を招いたこと。水田正和vs松本直太の〃師弟対決〃となった代表決定戦(結果は水田さん勝利)の「大盤解説」はもとより、一人で複数(2人~4人)を相手にする「指導碁」でも圧倒的な〃格の違い〃を見せつけた。
さしもの中村隆平先生(島原囲碁連盟会長)も対局後の感想をこう呟いたそうだ。「やっぱ(プロは)強か」と。
ところで、昨今はいずれの業界においてもアマチュア流行りである。政界は言うに及ばず、芸能界などもその最たるもので、素人にちょっと毛が生えたような芸人もどきが相も変わらない〃楽屋話〃で盛り上がっている。
長引く経済不況のせいでCM収入が激減していることを考えれば、番組制作費の切り詰め(民放各局)は、ある程度仕方のないことかも知れない。ただ、このままいけば、益々NHKの〃独り勝ち〃の状況が続いていくだろう。
主催者でありながら囲碁のことをまったく知らない筆者を称して、口さがない弊社のスタッフ連中は「ブタに碁盤」と蔑むが、傍目に見ていても「プロ」と「アマ」の違いくらいは見分けがつく。
それはさりげない仕草一つにも現れる。知念さんと2日間にわたって行動を共にしていて、「この人はさすがに『プロ』だな」と感じる局面が多々あった。
今さら言うまでもなく、プロとは英語の「プロフェッショナル」を縮めたもの。さらに解説するなら、プロは「前に」という意味の接頭語で、これに「言う」という意味の動詞の「フェス」が付いた形だそうだ。
回りくどい言い方をしているが、要するにこういうことだ。「多くの人々を『前にして』『公言する』」という宗教的な意味合いをも持つ崇高な行為だ、と。
知念さんに色々とお話を伺う機会があった。生まれは沖縄の宮古島で、現在37歳。プロ棋士のご主人との間に3人の子供さんがいる、という。
〃この道〃に入ったのは小学5年生の時。全国選りすぐりの〃俊英〃が集う日本棋院の中で〃頭角〃を現すのは並大抵の苦労ではなかったはずだ。勿論、才能もあったろうが、それだけにとどまらない所が「プロへの道程」の厳しさであろう。
沖縄人独特のその風貌は、アメリカを主舞台に活躍している女子プロゴルファーの宮崎藍選手を思わせる。語り口もいたって穏やかだが、いざ勝負!となると〃鬼神〃に変身する、とか(囲碁・将棋チャンネルスタッフ談)。
大会を無事終えたことが何よりだが、本物のプロに出会えた歓びもまたひとしおである。
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