2013/02/14

遺伝子スイッチ!?…ビジョンよりミッション

「遺伝子スイッチ」なる言葉が最近よく取り沙汰されるようになった。そんな事情などつゆ知らず、たまたま手にしたのがその関連本だった。

著者は筑波大学名誉教授の村上和雄さん。題名はそのものずばりの『SWITCH』(スイッチ)。サンマーク出版から出ているハードカバー本だ。

何でもドキュメンタリー映画が元になっているそうで、「才能でも運命でもない。人生を決めるのは遺伝子の〝スイッチ〟だった!」という惹句に引かれて頁をめくった。

これがすこぶる面白い!「遺伝子」や「DNA」と言えば、科学の世界の話で筆者のごとき文系人間にはまったく縁がないと思っていたが、人生のあらゆる局面で、その〝思考〟が当てはまるそうである。

驚くと同時にある種の〝感動〟にひたっていたら、今度はテレビの特番でそのテーマを取り上げていた。2月11日夜放送のTBS「生命38億年スペシャル」という番組がそれ。

書物とテレビとでは幾分か〝切り口〟は異なっているが、「心の持ちよう」(スイッチのオン・オフ)次第で、極小な「遺伝子」の世界も、「人間関係」も、はては「食」や「環境」に至るまで――全てがまったく変わったものになると、一貫してそう強調しているように感じる。

本に限って言えば、全篇を通じて「なるほど!」と唸るばかりの〝説得力〟に溢れていて一気読みさせられるわけだが、特に印象に残ったのは「ミッションに生きることで遺伝子を目覚めさせた人」という章。

「ミッション」を日本語に訳すと「使命」。言い換えるなら、天から与えられたもので、「好き」とか「嫌い」とかの人間的な感情の範疇(はんちゅう)を遥かに超えたものだ。

これに対して「ビジョン」(展望)という言葉がある。「この人のビジョンは素晴らしい。あの会社には確たるビジョンがある」などとよく言われるが、それを達成しようとすればするほど、人間(会社)は疲れ切ってしまう。

それよりは「天の定め」(ミッション)として受け入れて行動した方が、より精神的に安らぐ、と。何となれば、「ビジョン」の場合は自力に頼るしかないが、「ミッション」ともなれば、天の力を借りることも可能になる。

つまりは、運命(ミッション)を従容として受け止め、我欲を捨て去って事に当たっていけば、必ず活路は拓けていくものだ、と諭している。

幼い頃に自らの不注意(勝手な思い込み)で心臓発作の父を救えなかったことを、大人になって成功してからも悔やみ続けていた女性に対して、ある教会の牧師さんがそう教えてくれたのだそうだ。

ありのままをありのままに受け入れることの大切さ。ダメ人間ならダメ人間でいい…。何だか生きる勇気が湧いてきませんか、皆さん?読み違いかな!?