2013/01/24

倫理経営講演会①…微差は大差につながる

〈大丈夫だろうか?集まるかな…〉。橋本卓也さん(島原倫理法人会会長)の心配は〝杞憂〟に終わった。つまり、25日夜に有明町総合文化会館で開かれた平成25年度初の「倫理経営講演会」は、満堂の聴衆で埋まったのだ。

講師は、東京に本部を置く「倫理研究所」(社団法人)で常任理事(法人局長)を務める内田文朗さん。『運命は自らまねく』をテーマに約1時間にわたって熱弁をふるった=写真。またそれに先立って、㈱あおぞら福祉会(山本登志之社長)による『活力朝礼』(実演)も披露され、会場は冒頭から〝熱気〟で溢れた。

講演は自らの〝実体験〟に裏打ちされた、聴き応えのある内容だった。以下、翌朝のモーニングセミナー(南風楼)での講話『実践力を磨く』と合わせて、その〝要点〟を取りまとめてみる―。

微差は大差につながる】=2011年3月11日午後2時半過ぎ、仙台市内から移動して山形グランドホテルに居た。突然の大地震。そんな中でも、倫理法人会会員である同ホテルの従業員の動きは素晴らしかった。

まずは電気が消えた中での客の避難誘導。フロアごとに人員を配し整然と行われた。ロビーにはいつしか、山のようにオニギリが積まれ、通りすがりの人々にもふるまわれた。

人間というのは「混乱の極」にあっては不可解な行動をとるものだが、ふだんから安全対策等の従業員教育に力を注いでいた同ホテルでは、実に落ち着いた行動で難を乗り越えた。

「倫」とは、一言でいえば「人間集団」のこと。モノと違って「1+1=2」になるとは必ずしも限らない。マイナスだってあり得る。ただ、やり方次第では「5」にも「10」にもなる。

見落としてならないのは「システム(仕組み)づくりの重要性」。人が集まる目的は何なのか?自分自身の役割は何なのか?そこには自ずと「理」(ルール)が求められる。

翻って言うなら、日々の「朝礼」は、「プライベートな自分」を「仕事人間」に切り換える〝儀式〟のようなもの。これをないがしろにしていれば、組織体としての会社の存続発展は危うくなる。「微差は大差につながる」という所以(ゆえん)はここに在る。

先ほど見させていただいた、あおぞら福祉会の「朝礼」は掛け値なしに素晴らしかった。講演で全国至る所を訪ねているが、ほぼパーフェクトに近い「トップクラス」だと、つくづく感心した。  -つづく-