ふたたび原点に戻って…ローカル紙の使命を痛感!!
読者の皆様、明けましておめでとうございます。まずもって2013年(平成25年)が皆様にとりまして「素晴らしい年」であるよう、心よりお祈り申し上げます。
さて「正月」と言うと、「年賀状」のことがまず思い浮かびますが、あいにく我が家は「初正月」(一昨年暮れに叔父が死去)のため、失礼させていただいております。
ならば、「冒頭の表現はおかしいではないか!」とのお叱りを受けてしまいそうですが、そこは一つ〝決まり文句〟ということで、平にご容赦下さいませ。
だいたいこの原稿もそうですが、年も改まっていないのに「バーチャルな〝正月気分〟で賀状を差し出すこと」にはいささか抵抗を覚えます。本来「年賀状」とは年が明けてから、居住まいを正して書くものだと、何かの本で読んだことがあります。
とまあ、のっけから〝屁理屈〟をこねくり回して行数稼ぎをしております。スミマセン…。
昨年の本欄は「断・捨・離」をテーマに、「モノ」と「ヒト」の優位性について駄弁を弄しました。しかしながら1年経ってみて、その十分の一も実践出来ていない自分自身の存在に気付いて、何とも恥しい限りです。
そんな心境にいますと、「諺」や「格言」は誠にもって核心を衝いた巧みな言い回しだな、と今さらながらに感心しています。さしずめ、筆者の行為の愚かさは「言うは易し、行うは難し」といったところでしょうか。
ところで、さはさりとて、こんな筆者ですが、年頭に当たって(とは言っても、師走選挙明けの混乱した頭の状態ですが…)、決して何も考えていないわけではありません。
否、それなりの〝思惑〟はきちんと持っています。勿論それは、重大な責任を持たされている紙齢115年目を迎える「島原新聞社」の経営全般についてであります。
ローカル紙の経営については、その〝本場〟とも言えるアメリカ合衆国でいま、何とも摩訶不思議な現象が起きているそうです。
ご多分にもれず彼の地でも、インターネットメディアの普及で、深刻な〝活字離れ〟の傾向が急速に進んでいる、とか。
その影響はワシントンポストやニューヨークタイムズといった、世界的にも有名な大手紙も無視できないところまで進んできている、とも言います。
大手でさえそんな状況ですから、もとより経営基盤が脆弱な地方紙にとっては、それこそ〝死活問題〟のはずです。
ところが、何と「投資の神様」と呼ばれる、ウォーレン・バフェットという80歳を超えた、世界でも屈指の投資家が、全米各地の地方新聞社の株を次々と買い集めている、というのです。
なぜでしょう?昨年7月6日付けの朝日新聞(国際版)によれば、その時までに、すでに63社を傘下に収めた、と言います。
10代の頃に新聞配達をしながら株式を買うという経験を積んできたので「その〝愛着〟から」といった、やや情緒的な見立てもあります。その一方で、「いやいや〝地域貢献〟に他ならない」とする人もいます。
遠く離れたニッポンの島原半島に居ては、それを確認する術もありませんが、ナゾを解くカギの1つは「〝地域密着〟である」とする説が有力なようです。少なくとも、筆者はその説を支持することにしています。
ついでながら、その日の朝日新聞に、同氏が買収した新聞社の発行人らに出した手紙の要旨が紹介されています。いささか長くなりますが、その一部を引きます。
【新聞経営のビジネスは劇的に変わっているが、自らのコミュニティーについて精力的に報道する新聞には明るい将来があると信じている。町で何が起きているのかを気にしている人にとって不可欠な新聞をつくるのが、あなたたちの仕事だ】
【それは、記事の量を保ち続け、地域生活のすべての面、特にローカルスポーツを十分に報道することを意味する。自分の隣人についてのニュースを途中でやめる人はいない】
【紙とデジタルの最適な融合をひねり出すための、最良の考えが欲しい。(中略)米国の新聞が経営破綻したのは①町に競合紙が二つ以上あった②読者にとって大事な情報の主要な発信元としての立場を失った③広く共有されている町のアイデンティティーがない――のいずれかの場合だけだ】
手紙はさらに続くのだが、ここまで読み進んだところで、筆者はハタとヒザを打ちました。「そうだ、その通りだ!」と。
もっと言うなら、「島原新聞」の背後には〝仲間〟そして〝身内〟とも言える「ケーブルテレビ」も「FMラジオ」も控えています。それがまたそれぞれに、「今年こそは!」と、近々〝新機軸〟を打ち出す予定です。
政権が変わっても、皆が皆そうそう期待するほど極端に経済環境が好転するとは思えません。しかしながら、「郷土紙」としての原点に立ち返って地道な努力を重ねていけば、必ずや〝活路〟は拓けていくはずです。
皆様方の倍旧のご支援とご指導のほどを、今年もどうぞ宜しくお願い致します。頑張ります!!
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