金はケータイの心臓部…ゴミの山から金、銀、銅…
日本漢字能力検定協会(京都市)が募集していた「今年の漢字」に「金」が選ばれた。2000年に続いて2度目だという。
理由については、ロンドン五輪での日本選手の活躍や山中伸弥・京大教授がノーベル賞受賞という「金字塔」を打ち立てたこと、「金環日食」が見られたことなどが挙げられている。
応募総数は25万8912点。うち「金」は9156票を集め、「輪」「島」「領」「乱」「空」「政」などが続いた。
さて、その「金」にまつわる〝よもやま話〟を幾つか。まずは「金字塔」について―。ふだん会話の中などで何気なく使っている言葉で、その意味は「すぐれた業績」のこと。と、ここまでは誰でも知っている話。
問題はその先。〝そもそも論〟で恐縮だが、元はエジプトの「ピラミッド」のことなのだそうだ。勿論、筆者など知る由もなかったのだが、先般、FMしまばらの「春ちゃん」こと宮崎春而さんと話しているうちに、その〝事実〟を教わった。脱帽!!
続いては、「金」そのものについて―。たまたまいま読んでいる〝老舗〟についての研究本『千年、働いてきました』(角川書店)に取り上げられていた。
一般的には「金の延べ棒」(約1㌔)と呼ばれる「金地金」の取り扱いメーカーとして知られる「田中貴金属工業」(明治18年創業)のことが筆頭に紹介されている。
同社の主力商品が「金地金」であることには疑う余地もないが、驚いたのは「純金」そのものがIT機器の先端を走るケータイ電話の心臓部(振動用モーターの一部)の役割を果たしていること。
もっと面白かったのは、廃棄されたケータイの中から再び「純金」を取り出している会社が存在していること。
「金」は世界でも最も貴重で高価な鉱物資源であるから、当たり前過ぎる話ではあるが、その会社が「ワシントンホテル」や「小涌園」などを全国展開している「藤田観光」のグループ企業であることは余りご存知あるまい。
社名は「DOWAホールディングス」。元は秋田県で「銅」の採掘に当たっていた会社(明治17年創業の「小坂銅山」)だが、最近ではケータイや車などの〝ごみの山〟から「金」だけではなく「銀」「銅」「プラチナ」まで取り出すことに成功している。
さらにその技術は全国に広がる「土壌汚染」の浄化対策にまで及んでいるというから、思わず〝賞賛の拍手〟を送りたくなってしまうではないか。
他にも、この本の中には、誰も知らないような老舗の知恵と、生き残りを賭けた壮絶な戦いの軌跡が紹介されているので、是非ご一読を!!
蛇足だが、金の延べ棒1本を取り出すには、廃棄ケータイ3・5トンを要するそうだ。
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