倫理経営講演会②…自分と未来は変えられる
倫理研究所の創始者、丸山敏雄はご当地とも縁が深い。戦前は長崎女子師範で教頭を務めていた。
研究所を創設したのは終戦後間もない昭和20年9月3日。現在は、会員企業約5万8000社。全国に680支部があり、昭和33年に発刊した『職場の教養』は毎日100万人の方々に読んでいただいている。執筆者は70人。
少し個人的な係わりについて話すと、研究所に入ったのは昭和61年。その前は熊本で建設会社を起こして(昭和56年)経営していた。同年、倫理法人会入り。
当時は社会全体の経済状況も良く経営も順調に運んでいたが、昭和58年8月14日、運命を変える〝出来事〟に遭遇した。宅地造成で出た廃材の焼却作業に当たらせていたアルバイトの学生が爆発事故を起こしてしまったのだ。
彼は熊大教育学部の4年生で、教員採用試験にも合格していた。事故そのものは彼の不注意によるものだったが、卒業を前にして大ヤケドを負わしてしまった〝現実〟に、社長として痛切に責任を感じた。
自分自身、どうしていいのか判らなくなって、その時「倫理指導」を受けた。そしてこう言われた「貴方は急ぎ過ぎ。だから事故も起きる」と。
ただ、理屈では分かっても、どう対処していいものか…答えは見つけ出せずにいた。もっと端的に言えば、早く〝現実〟から逃げ出したかった。
その際、こういう指導を受けた。「出来る、出来ないは別として、とにかく(親御さんから)要求があったら皆受けろ!」と。
最初の要求は「病院を移りたい」というものだった。私は恐れた。ここで決断を間違えば、一人の若者の人生を滅茶苦茶にしてしまう…。
幸い、病状は奇跡的に回復し3カ月後には退院。そして、翌年には教壇に立つことも出来て、心底ホッとした。
以上、我が身の辛い体験談をお話したが、長い人生の中では誰しも、「苦難」や「悩み」に遭遇するもの。そこで、「より良き人生を!」ということで「宗教」を信仰する人もいる。
私どもの場合は、宗教とは異なる「倫理の実践」を提唱している。つまりは、人間として「当たり前のこと」を、どう実践していくかに重きを置いている。
実践のキーワードは「(状況を)変える」ということだ。そうは言っても、「世の中はそうそう簡単に変えることは出来ない」と言う人もいよう。
確かに、それはそうだが、1つだけ瞬時にして変えることが出来るものがある。それは「自分自身」と「(自分の)未来」だ。思い込みによる「固定観念」を打ち破って、「自己革新」を図る必要がある。
より率直に言うなら、自分自身の「選択」と「決断」の結果が、「今」(現実)なのだ。 -つづく-
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