2013/02/09

両社の成功に学ぼう!!…資生堂と霧島酒造の共通点

連日の飲酒で疲れ切ったカラダを携えてこれから福岡へ出張するのだが、はてクルマで向かうか、公共交通機関を使うかで迷っている。道中の利便性を考えたら前者だが、天気は雪模様なので安全策を取ろうか…。出発までまだ時間があるので、本稿を終えた段階で決めることにしよう!

福岡では、弊社が日頃から大変にお世話になっている「霧島酒造」(本社・宮崎県都城市)の主催で、新作テレビCMのお披露目パーティがある。制作・企画を担当しているのは世界の「電通」だ。

会場はこれまた超一流のホテルオークラ。これまでも結婚式や会議等で何度かは訪ねたことはあるが、田舎者の悲しさか、ついついその重厚感溢れる雰囲気に呑まれてしまう。

せめては新しき背広でも着て、気持ちだけは颯爽と乗り込みたいところだが、何年か前に作ったお気に入りの一着は胴周りが窮屈でとても、とても…。

おっつけ、いつも袖を通しているヨレヨレ&テカテカの一着に頼るしかない。朝からブツブツ言いながら着替えをしていたら、母と家人がこう言って励ましてくれた。「大丈夫。誰もアンタのことなんか見とらんけん!」と。

本欄では先般、資生堂ブランド企画部長のズナイデン房子さん(島原市出身)のことを取り上げさせていただいた。飛躍した言い方かも知れないが、資生堂のシャンプーも、霧島酒造の焼酎も、それぞれのブランド名に「色」を冠しているところに〝成功の共通点〟があるように思う。

資生堂の「TSUBAKI」シリーズの販売戦略に関してはすでに紹介済みなので省略させていただくが、霧島酒造の今日の隆盛を支えている〝屋台骨〟は「黒霧島」である。

この商品を売り出す際の〝裏話〟を以前、同社の関係者から聞いたことがある。元々のスタートは白ラベルの「霧島」だった。そこに黒ラベルを加えようとした江夏拓三専務(BTVケーブル社長)の提案に「まるで葬式みたいではないか!」などといった異論が相次いだ、という。

そんな中でも、江夏専務は決して折れなかった。折れるどころか、「赤霧」「金霧」「玉金霧」…などと次々とヒット商品を生み出していく。そして一昨年秋、ついに念願の〝日本一〟の座を射止めることに。

ここで見逃してならないのは、いずれの商品も開発から販売に至るまでの「基本戦略」(コンセプト)がはっきりしている点。つまり、手当たり次第に造って売り出すのではなく、きちんとした「マーケティング理論」に立脚している、というわけだ。

「化粧品」と「焼酎」という違いこそあれ、その根幹を為すものはまったく同じである。両の企業の成功譚から学ぶことは多い。

【追伸】晴れ間が見えてきたのでクルマで行く!!