もっと方言を使おう!!…江川さんが「島原弁用例集」
〈ふるさとの
最近のニュース番組を視ていると、全国問わず、若者や子供たちが「標準語」を流暢に話している。ある意味「国語教育の成果」であろうが、一方でその傾向を寂しく思っている年配者の方も多いのでは…。
21日付けの毎日新聞の一面コラム『余録』欄に面白いことが書いてあった。かいつまんで云うと、「自閉症などの発達障害児は方言をしゃべらない確率が高い」などとする大学教授の説を紹介しているのだ。
同教授によると、方言には「仲間への帰属意識」「他集団との差異化を表す機能」などがあるが、発達障害児はこれらを理解し使いこなすのが苦手だ、と。
コラム氏はこうした学問的事例を引きながら「方言の魅力はもっと評価されるべきである」と結論づけている。小難しい理屈は分からないが、筆者もまったくもって同感である。
前置きが長くなってしまったが、我々の古里にも愛すべき「島原弁」がある。しかし、最近では余り使われていない。殊に、若者世代で顕著である。
その傾向に業を煮やしたのか、元島原市総務課長の江川照男さん(75)=写真=がついに立ち上がり、「用例集」としてまとめあげた。ただし、この作品は江川さん自身が船津地区の生まれ育ちであるため、武家屋敷界隈で使われていた「家中ことば」とは一線を画すものである。
何はともあれ、著者のお許しをいただいたので、勝手気ままに引用させていただく。まずは「長文の置き換え編」から―。
【原文】ツマチんホンドウリんカドんカネやんがカからカタばカマれっカイカッタけんキャたらツウんでけた。そんツウばツンムシッたらシュンのでた。イトはなかったばってんカユウシてカユウシてドウガンならん。そいバッテンシランうちナオッチョった
【翻訳】津町の本通りの角の兼さん(という人)が蚊から肩を噛まれて痒(かゆ)かったので掻(か)いたら瘡蓋(かさぶた)ができた。その瘡蓋を掻きむしったら汁がでた。痛くはなかったが、痒くて痒くてどうにも我慢できない。それでも知らないうちに治癒(ちゆ)していた。 ―つづく―
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