2013/05/14

下折橋の芝桜公園…早くも除草作業スタート

つい先頃まであれほど綺麗に咲き誇っていたのに…。やはり〈花の色は移りにけりな〉なのか…。

連休明け初の日曜日となった12日午前、島原市下折橋の締切堤内にある「芝桜公園」では早くも、来年に向けての除草作業がスタートした=写真

事務局の集計によると、4月3日(水)~23日(火)間の有料入場者数は2万8千666人。内訳は一般客が2万6千316人だったのに対して、団体客は2千350人。

残念ながら、目標としていた3万5千人突破と成らなかった。その最大の要因は、一番の書き入れ時の土曜日(6日、20日)に雨に祟られた、ため。

それでも、スタッフの表情は一様に明るい。なぜなら、組織を挙げた広報活動が効を奏した形で、九州全域からの〝集客〟に一定のメドがついたからだ。

同公園をつくる会の足立進一会長も日焼けした顔をほころばせながら「まだまだ緒についたばかり。来年度以降への布石は十分に打てた」と自信を示す。

色んな見方があろうが、筆者自身はこの企画における〝最大の見所〟は、噴火災害によってもたらされた〝荒野〟が、地域内外の多くの人々の献身的な努力によって刻々と〝花園〟に生まれ変わっていく〝過程〟にある、と思う。

なぜ本は読まれるのか?或いはまた、なぜ芝居や映画は多くの観客を集めることが出来るのか?野暮ったい言い方かも知れないが、世の人々の多くはお金には代えられない何かしらの〝感動〟を求めている証しではなかろうか…。

普通に考えれば、石コロ&雑草だらけの土地に花を咲かせるなどというのは極めて〝無理筋〟の話である。それでも決して諦めないところに、足立会長らの〝真骨頂〟がある。

古里復興に賭ける熱意が人々の感動を呼び、夏の炎天下や寒風吹きすさぶ中での冬の除草作業にも、多くのボランティアが駆け付ける。子供、学生、公務員、サラリーマン、自営業者…などなど、その顔ぶれは様々だ。

美しくも儚い花の命とは裏腹に、除草作業は地道そのものだ。腰も痛くなるし、これから夏場にかけては全身から汗がほとばしり出てくる。

取っても、取っても、後を絶たない雑草との根気勝負が間違いなくこれからも続いていく。しかし、もう後へは引けない。

それは、復興島原のプライドを賭けた永い戦いでもあるからだ。これからも足立会長やスタッフの皆さんとともに知恵を絞り、汗を流していきたい。