2006/12/14

ハレの場での鎮魂歌!? - 頑張る庶民に適切な対応を -

 都市部では最近、「いざなぎ景気」(昭和40年~45年)を超えた史上空前の〃活況〃らしいが、それを享受しているのは、一部大企業のみ。

 庶民感覚からすれば、むしろ給与は据え置き、或いは下降気味で、逆に各種保険料をはじめとした生活関連費用は上がる一方。

 本稿を書きながら見ているテレビでは、国民健康保険料の引き上げに怒った市民集団が、大挙して役所に押しかけるシーンを映し出している(千葉県八千代市)。

 その報道によれば、全国で国保を支払っていない世帯の比率は、約2割(470万世帯)。年の瀬を迎えるにあたって、震撼としてしまう数字である。

 一方で、福島、和歌山、そして宮崎…と相次ぐ県知事の逮捕劇。県内でも「預け」の問題が五月雨式に露見し、スッキリしない状況が続いている。

 そんな中、今月1日島原市湊新地にオープンした漁人市場「とっとっと」(松永忠徳社長)は、地元にとって久々の明るいニュースの一つだろう。

 全国紙の囲み記事で紹介されたり、テレビで特番が流されたりするなど、今や島原の新たな「観光スポット」として注目を集めつつある。

 ところが、先週末にNHKで九州管内向けに放送された番組を見て唖然とした。同施設ご自慢の「殿様蔵」からの生中継だったが、何とも形容しがたい空気が漂っていた、のだ。

 「蔵ん中じゃんば、暗かろもん」という駄洒落の域を遥かに通り越していた。端的に言って「演出」の問題だろうが、「ハレの場」での「鎮魂歌」の朗唱はいただけない。

 例えて言うなら、その行為は、結婚式の披露宴で、「逃ーげーたぁー女房にゃ、未練はなぁーいーがー」と、ガナったようなもの。もっと「T・P・O」(時・場所・状況設定)をわきまえてほしかった。

 松永社長のもとには、テレビを見た友人らから「オイオイどうなっているんだ。地元の皆さんと心を一つにした、新たな企画の旅立ちなのに…」などと、怒りや心配の電話が相次いだ、という。

 議会開会中だ。質問をする議員、応える自治体幹部、それに連なる公務員。先般、庶民感覚からはほど遠い「賞与」が支給された。

 だが、民間だからといって、羨んでばかりいてもラチがあくものではない。その事は重々承知した上で敢えて申し上げる。

 地域経済に元気が出て「税収」が伸びないことには、その「原資」も生まれてこないし、徳島・上勝町の横石さんが言うように、医療費も高騰してしまうのですよ。

 よもや、税金や公共料金の徴収にあたって、著しく公平性を損なうような「由々しき実態」はないでしょうね。