2007/03/10

正義の味方は果たして - 〃テイヘン野郎〃も興味津々 -

 昨夜、話題の『おふくろさん』を某スナックで熱唱した。気持ち良かった。調子に乗って『襟裳岬』まで歌ってしまった。

 『おふくろさん』は川内康範作詞、猪股公章作曲。言うまでもない、演歌歌手、森進一の代表的ヒット曲の一つである。

 どうしたボタンの掛け違いか〃真相〃のほどは分からないが、テレビ報道等によれば、「私の作品に勝手なセリフをくっつけやがって!!もう金輪際アイツには歌わせない」と川内氏が激怒している、という。

 どちらの味方をするわけではないが、最初にこの騒動に関する森進一のコメントを聞いた時、「こりゃー相当やばいなぁ…」と内心思っていた。

 「川内先生ももっと広い心でもって、現状を受け入れて下さらなければ…」などとニヤけて応じていたインタビューの姿に、一流歌手にあるまじき〃思い上がりの断面〃を垣間見たからである。

 その後のてん末については、川内氏の住む青森への「お詫び行脚」や、しつこく食い下がる報道陣への「殺陣攻撃」など、随分とテレビ的な映像が繰り返されているのは、皆様ご高承の通りだ。

 先日、車を運転しながらラジオを聴いていたら、川内氏の母親は生前、周囲の貧しい人々に、誰彼と分け隔てなく食べ物などをふるまっていたのだそうだ。

 そうした気高い母の生き様を元に創作した作品に対して、「いけない僕でした」などという森個人の軟なセンチメンタリズムを付加されることは「断じてまかりならん!!」と。

 川内氏と言えば、初期のテレビドラマ『月光仮面』の主題歌の作詞家としても知られる。「疾風のように現れて、疾風のように去ってゆく。月光仮面は誰でしょう」。

 月光仮面は、その歌詞にもあるように、日本における〃正義の味方〃の代表選手だ。時々、その衣装をまとった〃謎の人物〃が選挙戦などに登場するのもその表れだろう。

 選挙と言えば、東京都知事選が俄然面白くなった。事実上は、現職の石原慎太郎知事と、前宮城県知事の浅野史郎氏の〃一騎打ち〃だろうが、個人的には30年以上も前に行われた「美濃部VS石原」の戦いを思い出す。

 当時は選挙権もないただのミーハーとして眺めていたのだが、石原陣営が配っていた「太陽バッジ」のことが妙に印象深く残っている。

 作家、佐野眞一氏が著わした『テッペン野郎』はその石原一族のDNAまで踏み込んだ力作で、大変面白かった。果たして、現職が〃頂上〃の位をそのまま維持できるのか。

 はたまた、後出しジャンケンの浅野・月光仮面が正義のノックアウトパンチを浴びせられるか。〃テイヘン野郎〃の私も興味津々だ。