ハンカチとハニカミ - 昔もいた追っかけオバさん -
昨夏は野球の「ハンカチ王子」で大騒ぎしたかと思っていたら、今度はゴルフの「ハニカミ王子」だと。それにしてもこの二人、顔つきが似ていないか!?
西洋は「罪」の文化、そして日本は「恥」の文化だと良く言われるが、「ハニカミ」の語源は「恥ずかしがる」だ。
二人に共通して言えるのは、おとなしそうな日本的顔立ち(しょうゆ顔)の美男子だ。追っかけのオバさんが登場しているところもそっくりだ。
ハンカチ君が進学したワセダの関係者によれば、今年の同学のキャッチフレーズは「愛(福原)と勇気(佑樹)の早稲田大学」だそうだ。
それにしても入学初年度から大した活躍ぶりで、神宮の森を満員にするなど人気も申し分なし。今から早慶戦が楽しみだ。
筆者が学生当時の神宮のスターは何と言っても「怪物君」こと、法政の江川卓投手だった。作新学院時代にドラフト会議で阪急ブレーブス(当時)に1位指名を受けながら、慶応進学を志して、入団拒否。
しかしながら、慶応はその年の「甲子園組」をことごとく袖にして「陸の王者」のプライドを保った。余談だが、本来であれば、スポーツ推薦枠で入れたはずの他競技の二次被害者も続出した同年であった。
早稲田には、作新で江川とバッテリーを組んでいた小倉というキャッチャーがいたが、神宮の舞台では「役者」が違った。
江川は小憎らしいまでに巧みなピッチングでバッターを翻弄。ここぞ!!という時には剛速球で三振に切って取った。
専門家に言わせると、江川は六大学で「手抜き」を覚えてしまったので、プロ野球で大成しなかった。高校から阪急に入っていれば金田正一の記録(400勝)を塗り替えていたかもしれない、と。
ホンネを言えば、江川も「慶早戦」(慶応側はこう呼ぶ)で投げたかったはずだ。早慶戦はとにかく独特の雰囲気だ。
応援席は早稲田が一塁側、慶応が三塁側と決まっていて、七回には校歌と、応援歌の斉唱とエールの交歓が行われる。
キャラクターは早稲田が「フクちゃん」で、慶応はミッキーマウス。スクールカラーは「エンジ」と「ブルー、レッド&ブルー」。どう見ても、慶応の応援席がアカ抜けていた。
早稲田の応援戦術に「煙幕作戦」というのがあって、全員でタバコを吸ってリーダーの指示で一斉にプー。今にして思うに、何とも愚かしい集団行動だ。
しかしながら、早慶戦最大の楽しみは試合後の打ち上げにあった。早稲田の場合、新宿に繰り出せば、「先輩」と称する人々が誰彼なく奢ってくれた。
筆者も、徳間書店常務夫人という妙齢の方からご馳走になったことを覚えている。追っかけのオバさんは昔からいた。
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