森本さんと加藤さん - 続け様に〃良い話〃を拝聴 -
商売柄、色んな方々とお会いすることが出来るし、タメになる話を伺うことも多い。まさに〃仕事冥利〃と言えよう。
先日、立て続けにとても〃良い話〃を伺ったのでご披露したい。話の主は元島原商工会議所会頭の森本元成さんと、県議に返り咲いた加藤寛治JA島原雲仙代表組合長理事。お二方とも弊社の取締役を引き受けていただいている。
森本さんに関しては『ちょっといっぷく』のタイトルで本紙にもご寄稿いただいているので、剽窃になってしまうかも知れないが〃若気の至り〃ということでお許し願いたい。
「組織も国も外からの攻めでは滅ばない。すべての衰亡は内部から起こるものだ」―。顔をクシャクシャにして語る独特の〃森本節〃に、しばしの間、聞き入った。
言われてみると確かにそうだ。「蟻の一穴」という言葉もあるが、最初のうちは気にも留めようもない現象が、時間を経て大問題に発展した事例は多い。
森本さんが例えたのとは違う話だが、先ごろ自殺に追い込まれた農水大臣も、恐らくこの類いに当てはまるのではないか。
よもや、軽い気持ちで始めた事務所経費のゴマカシが、これほどまで世間を騒がせる大問題になろうとは、思ってもみなかったはず。まさに、森本さんが言う「天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして洩らさず」の世界である。
加藤さんからは、ベストセラー『国家の品格』を著した、藤原正彦さん(作家)の話を伺った。先ごろ東京で行われた全国農業新聞創刊80周年記念式典での講演要旨だ。
「のっけから『今の日本人はどうしてこうも馬鹿ばかりそろっているのか』との指摘には、一瞬ドキッとすると同時に、ついつい話の内容に引き込まれてしまった」と、振り返る加藤さん。
農業関係者の集まりだから、必然的に農業の話になるのは自明だが、藤原さんは「農業軽視」(工業重視)「都市と地方の格差是認」などといった小泉流の政治手法をバッサバッサと切り捨てた、という。
「『改革』と言えば、いかにも聞こえは良いが、そこには『改善』(良)ばかりでなく、『改悪』の要素さえ含まれている。それなのに、大多数の国民は、その言葉の響きだけで踊らされている」。
「諸悪の根源は戦後教育。日本国民は早くその過ちに気付いて、日本人としてプライドが持てるような教育をしないと、大変なことになる」。
「いくら自動車を輸出して、何兆円もの利益を上げようが、食糧の自給ができないような国はいずれ滅んでしまう」。
筆者はお二人の話を聞きながら、「そうだ」「その通り」と、思わずヒザを叩いてしまったが、読者の皆様はいかがお考えでしょか?
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