期待をプラスに変換 - 芸人は〃毒〃がなければ!! -
島田紳助が面白い。明石家さんまと並んで、今や吉本の〃二枚看板〃のような存在に成長した。
何より〃毒〃があるのがいい。「芸能人は歯が命」という美白効果を訴える歯磨きのCMがあったが、「芸人は〃毒〃が命」と言ってもいいだろう。
紳助が松本竜助(故人)と組んで漫才デビューを果たした時のネタを今でも憶えている。確か「ロケット」ネタだった。
「何でロケットが飛ぶか、お前知っとるか」(紳助)。「いや、分からへん」(竜助)。「アホやなあ、そんな事も知らんで、よう漫才しとるなぁー」(紳助)。
「いじわるせんで、教えてーな」(竜助)。「ロケットの打ち上げのシーンをよう見てみ。テレビカメラがずらっと並んで、関係者や一般人もじっと見とるわけや。そしたら、飛ばなしょうがないやんか」(紳助)。
筆力のなさから〃面白み〃も半減してしまうが、最初にこの話を聞いた時は、それこそ腹を抱えて笑ってしまった。
取りようによっては、周囲からの「期待」のプレッシャーを、「プラス」のエネルギーに変換できるか否かの「捉え方」の問題を、問い掛けているようにも感じた。
『佐賀のガバイ婆ちゃん』で再び有名になると同時に、所属の吉本興業ともトラぶった島田洋七もパワフルな話芸で押し通すタイプだが、紳助とはちょっと色合いが違う。いまいち切れ味に欠ける。
そうそう洋七で思い出した。相方の洋八と伊豆大島から帰って来る60人乗りくらいの小さな飛行機で隣り同士になった。
何でも、洋八の奥さんは同島で歯科医をしているらしい。どうでもいいことだが、洋八は芸風の通り、細身で大人しいタイプに見えた。
拙者が伊豆大島を訪れたのはちょうど2年前の今頃のシーズンだった。羽田から飛行機で約30分。20年くらい前に三原山が噴火して、1万人(住民全員)が避難したあの島だ。
都はるみが唄った「アンコ椿」は見れなかったが、「アジサイの花」が実に美しかった。「波浮の港」には、森繁さん揮毫の歌碑が立っていて、近くの肉屋さんが作るコロッケの味は一級品だった。
火山博物館を訪ねたが、金をかけた施設の割には、来館者はゼロに近く、「もったいない」と感じると同時に、普賢岳災害記念館の健闘ぶりを想った。
一つだけ奇異に感じたことがある。周囲四方を海に囲まれているので〃海の幸〃には恵まれているのかと思っていたら、獲れた魚介類はほとんど東京市場へ出してしまう、という。
「生活のため」と言えば、何とも論評のしようもないが、まずは自分たちが「美味いサカナ」を食べるべきで、観光客を呼んで「外貨」を稼ぐ方向に舵を切るべきだと思った。
嗚呼、何とも〃毒〃のない結び方だなー。
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